ナポリの会長を務めているアウレリオ・デ・ラウレンティス氏は、ロンドンで行われた「ビジネス・オブ・フットボール・サミット」でサッカーのテレビ中継について意見を表明したという。
このところサッカーなどのスポーツに関する放送は全世界的に有料のサブスクリプションサービスによるものが増加している。リーグの放映権料も急速に高騰しており、ファンが観戦にかかるコストも大きくなっている。
『Totto mercato web』によれば、「ビジネス・オブ・フットボール・サミット」のゲストスピーカーとなったデ・ラウレンティス氏は、ジャーナリストのジェームズ・フォンタネラ=カーンとのセッションで以下のように話したという。
「誰もが無料で見られる状況であるべきだ。もし観客を引き寄せたいのであれば、無料のテレビで生中継されなければならない。
そして、ビジネスマンとして言わせてもらえば、どのように大きな宣伝を企画するかという点についても知っていなければならない。
それはまた、どのようにサッカーを見せるかという点にもつながる。老朽化しているスタジアム、そして観客にとって落ち着かない環境。テレビ放送のことだけについて話しているわけではないんだ。
例えばF1の中継はどうやっているか。まるで視聴者がドライバーになったかのような、コクピットからの没入感がある映像が放送されている。
しかし、そのようなことはサッカーにおいてはあまり行われていない。ワールドカップ決勝のアルゼンチン対フランスがどのように放送されたのか、それが最高の例になる。
だが、サッカーはスポーツとして古くなってしまった。我々はテーブルに座って熟考しなければならない。
ただそのテーブルはまるで大きなサーカスのように動いている。立ち止まって考えすぎると、あたかも反逆者であるかのようなレッテルを貼られてしまうのだ」
ビジネスマンとしては、サッカーの中継が無料で行われないことによって視聴者の絶対数が減少していること、宣伝としての価値が落ちていることを懸念しているそう。
またサッカーの放送やシステムは歴史がある一方で古くなっている部分もあり、何かを変えようとすると反逆者扱いされる…ということも感じているようだ。