昨年11月に弱冠17歳にしてブラジル代表にデビューしたFWエンドリッキ。18歳になる今年7月にパウメイラスからレアル・マドリーへ移籍することが決まっている超大器だ。
そうしたなか、『Globo』は、エンドリッキと靴磨きとのいい話を伝えていた。
今月8日、ブラジル代表の五輪予選メンバーとしてサントス・ドゥモン空港にやってきたエンドリッキ。靴磨きとして同空港で20年間働いてきたミシェウさんは、そこで思わぬ経験をすることになった。
「見ると人だかりが出来ていて、代表チームの子たちがやってきた。子供が写真を撮っていたので、私も『一緒に写真を撮ってもいいかい?』とお願いした。
私は彼に家族の写真を見せたんだ。すると、彼はこう言った。『あなたのPix(ブラジルの即時決済システム)を教えてくれますか』。私は番号を教えて感謝を伝えると空港のWi-Fiに向かった。携帯電話のクレジットがなかったからね。
Wi-Fiにつなぐと、なんということか1000レアル(3万円)が振り込まれていた。信じられなかった。3人の子供に家賃…。彼にもう一度お礼を言おうとしたが、もういなかった」
ミシェウさんには2歳、4歳、6歳の子供がいるが、家賃を滞納するなど生活は厳しい状況にあるとか。なんでも靴磨きが盛んだった20年前は、毎日80~120レアル(2400~3500円)ほど稼げたものの、今は1日3~4足ほど磨くのが精一杯な状況だとか(1足当たり10レアル=300円ほど)。
ミシェウさんは家賃の支払いや娘たちのミルク代、抗アレルギー軟膏を買うことができたそうで、これまでは特に応援しているチームはなかったものの、すっかりエンドリッキのファンになったそう。
一方、エンドリッキは「彼はすごく謙虚だったけれど、僕が履いていたのはスニーカーだった。話をするために立ち止まると、人生や家族、若い娘さんについてや生計を立てるのにどれほど苦労しているかを話してくれた」と話している。
ちなみに、ブラジルの全業種の平均月収は、8560レアル(25万円)ほどのようだ。