8日に閉幕した第102回高校サッカー選手権。今大会で最も躍進したチームと言えば、準優勝の近江をおいて他にないだろう。

初戦となった2回戦、神奈川の強豪・日大藤沢をPK戦の末に下し、選手権3度目にして初の3回戦進出を果たすと、続く試合ではインターハイ王者の明秀日立を再び1-1からのPK戦で撃破。

準々決勝では昨年U-17ワールドカップに出場した名和田我空と吉永夢希を擁する神村学園を4-3の打ち合いで破り、準決勝でも堀越を相手に開始22分に3ゴールをあげて快勝した。

初の国立の舞台でも伸び伸びとプレーする姿。そして2005年度の選手権を制した同じ滋賀県代表の野洲を彷彿とさせる、テクニック全開のスタイルは大きな話題となった。

今大会の快進撃により部の活動費が足りなくなったため行われたクラウドファンディングは、決勝戦を前に目標額の1000万円を見事に達成している。

注目の決勝は、高校サッカーの“ラスボス”青森山田を相手に先制を許す展開。しかし後半開始早々の47分、浅井晴孔のドリブル突破から最後は山本諒が押し込み同点に追いつく。

その後、大会得点王に輝いた米谷壮史の勝ち越し弾などで1-3の敗戦を喫したものの、持ち前の卓越したスキルで最後までゴールを目指す様子は多くのサッカーファンの心に残ったに違いない。

今大会全試合にフル出場した近江GK山崎晃輝も、そんなチームメイトたちの姿を最後方から見ながらこんな風に感じていたという。

「追いかける時の近江は、どこのチームよりも面白いサッカーをするので、後ろから見ていて最高に面白いです」

近江の特徴の一つである頻繁なポジションチェンジに関して、リスクを管理する立場として「この1年間やってきたので正直もうそれも慣れてしまいました(笑)」と語っていた山崎。

愛媛FCのU-15から近江にやってきた2年生守護神は「このピッチ(国立)での負けはこのピッチで返さないといけないと思うので、まずはここに帰ってきたいです」と前を向いていた。

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愉快なコメントで“名物監督”となった前田高孝監督のもと、高校サッカーに新たな風を吹かせる近江の今後に大いに注目したい。

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