明治安田生命J3リーグで現在8位につけるいわてグルージャ盛岡。

昨季、初のJ2を戦ったものの、残念ながら最下位となり1年で降格。チームを率いていた秋田豊監督はシーズン終了をもって退任した。

そんな岩手だが、昨年10月24日、運営会社である株式会社いわてアスリートクラブの代表取締役社長兼オーナーに、監督を務めていた秋田氏が就任している。

オーナー企業のNOVAホールディングス株式会社が保有する運営会社の株式51.4%のうち、33.4%を秋田氏個人に譲渡。この体制変更には、岩手のホームスタジアムを巡る“のっぴきならない事情”があった。

以下は、秋田氏の社長就任に伴い代表取締役オーナーを退任したNOVAホールディングスの代表取締役社長、稲吉正樹氏の退任挨拶だ。

皆様にはグルージャ共々大変お世話になり有難うございます。
私は3年前の今日、2019年10月25日から3年間オーナーを務めさせて頂きました。
今回、J3降格が決定的となり皆様を失望させる結果となってしまいましたこと、県民の皆様には、私のオーナーとしての力不足をお詫びします。申し訳ありませんでした。

今回の決定は、スタジアム建設のタイムリミットが近づく今、正に「県民一岩」の機運が必要だと判断したためです。
グルージャが県外企業であるNOVAの連結会社ではなく、今やグルージャの顔であり、サッカー界のレジェンドである秋田新オーナーがクラブを牽引し、そしてNOVAが引き続きメインスポンサーとしてグルージャをサポートする。
そのような布陣を組むことが、新スタジアムを実現し、グルージャを更に前進させると考え、決断しました。

個人的にはオーナーとして楽しいことばかりで、関係者の皆様には心から感謝申し上げます。この3年で岩手・盛岡そしてグルージャは私にとりかけがえのないものとなりました。
これからも大好きなグルージャを皆様と共に応援して参ります。
引き続き「いわてグルージャ盛岡」を宜しくお願い致します。
3年間有難うございました!

いわてグルージャ盛岡は現在、盛岡市にある「いわぎんスタジアム」こと盛岡南公園球技場で主にホームゲームを開催している。

同スタジアムはメインスタンドを挟んで東側にAグラウンド、西側にBグラウンドが配置されており、岩手がJリーグで使用しているのはAグラウンド。

2020年から2021年にかけて事業費の一部をNOVAホールディングスと関連会社が「企業版ふるさと納税」で負担する形で照明設備も設置された。