昨日、パリで行われたFIFAの年間表彰「The Best」。2022年度の年間最優秀GKに選ばれたのは、アルゼンチン代表GKエミリアーノ・マルティネスだった。
彼は性器に見立てた下品なポーズやフランス代表FWキリアン・エムバペに対する言動でヒール扱いされるようになったが、授賞式での発言が話題になっている。
アイドルは誰だったを聞かれると、「毎日、掃除婦として8~9時間も働いた母。そして、毎日働いていた父。僕のアイドルは両親だ」と涙ながらに話していたのだ。
彼の家庭は貧しかったが、父は港湾労働者として、母は掃除婦として懸命に働いて、兄弟2人を養ってくれたそう。
父親からは安いGKグローブしか買ってもらえず、それを他の子からは笑われた。だが、そのグローブに誇りを持ち、その意志でトップレベルにまで這い上がったという経歴がある。
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『TyC Sports』などによれば、授賞式での息子の発言を聞いた父アルベルトさんはこう話していたそう。
「どんなものか想像してほしい。それは私たちが生涯をかけて子供たちに与えてきたもの。
私はそれを生涯現役で働いた父から受け継いだ。
私は自分の仕事で彼にできることをした。 そして今、彼はそれを認めてくれている。
ある父の日に息子は私にこう言った。『僕は父さんが自分にしてくれた半分くらいの父親になれたらいいな』と。
すぐに泣いてしまうから、話を続けられない。さっきまで泣いていたんだ」