今シーズンのイタリア・セリエAを優勝したACミランが、来季から新たなオーナーのもとで戦うことになるようだ。
ミランの声明によれば、クラブの経営権を取得するのは「Redbird」というアメリカの投資ファンドであるとのこと。売却の額は12億ユーロ(およそ1652.8億円)で合意されたという。
RedBird Capital Partners enters into agreement with Elliott Advisors to acquire AC Milan ➡️ https://t.co/W1YQr6GIxG
— AC Milan (@acmilan) June 1, 2022
RedBird Capital Partners sottoscrive un accordo con Elliott Advisors per l’acquisizione di AC Milan ➡️ https://t.co/MB0JQRMKWy
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現在ミランを所有しているのはアメリカに本拠地を置いているヘッジファンドの「エリオット・マネージメント」である。
かつて中国人のリー・ヨンホン氏がミランのオーナーを務めていた際、その資金を貸し付けていたのがエリオット・マネージメントだった。
しかしながら2018年にその借金の返済が滞ったことにより、エリオット・マネージメントがミランの経営権を取得していた。
ただし、エリオット・マネージメントは「会社の価値を上げて売り抜ける」タイプのハゲタカファンドであり、以前からクラブの売却先を探していたとされる。
そして今年4月にはバーレーンの投資ファンドである「インヴェストコープ」との交渉が行われていたが、先月その取引は破談に。
その理由は、スクデットを獲得したことを受けてエリオット・マネージメント側が10億ユーロ以上という高額な価格をつけたためだと言われているが、「Redbird」はそれ以上の額を支払うことに合意したようだ。
また、エリオット・マネージメントもこのまま少数株主としてミランの経営に残り、さらにスポーツディレクターのパオロ・マルディーニとフレデリック・マサラの契約も継続することになるそうだ。
「Redbird」は2014年にジェリー・カーディナル氏によってアメリカに設立された民間の投資ファンド。『Forbes』によれば、わずか8年間で60億ドルもの資金を管理する巨大企業に成長したとのこと。
その創設者であるカーディナル氏は、ゴールドマン・サックスで20年間勤務していた経験を持ち、ニューヨーク・ヤンキースのメディアネットワーク「YES」など数々のプロジェクトを成功させている。
またスポーツへの投資にも意欲的であり、欧州サッカーではトゥールーズの株式を85%所有しているほか、リヴァプールを所有しているフェンウェイ・グループの株主(10%)でもある。
また他にもボストン・レッドソックスやピッツバーグ・ペンギンズなどアメリカンスポーツやインドのクリケットなどにも進出しており、具体的な投資哲学を持って関与しているそうだ。