かつて岡崎慎司が所属していたことでも知られるスペイン2部のウエスカ。そこでプレーしている21歳のFWカルロス・ケビンが「人命救助」をしたという。

その事件が起こったのは4月15日、イースターの金曜日であったとのこと。カルロス・ケビンと友人の女性ダナ・ロペスは、田舎の風景をSNSに載せようとドライブしており、シンカ運河の周りを観光していた。

その際に自転車に乗った二人の少年とすれ違っていたが、当初はまったく気にしていなかったそうだ。

ただ、たまたまその先で行き止まりに遭ってしまったために引き返すと、周りに何もない場所に自転車だけが残されていたことから、気になってその場で停車したという。

カルロス・ケビン

「ダナには『子どもたちはどこに行ったんだ?』と聞いたんだ。小さな自転車だったし、周りに畑と運河しかなかったからね。

かけていた音楽を止めたら遠くから声が聞こえてきた。最初は泳いでいるのかと思ったが、『助けて』と叫んでいるのが聞こえたから、すぐに走っていったよ。

子どもたちは運河から登ることができなくなっていて、近くに階段もなかった。もし我々が現れなかったら、彼らに何が起こっただろうか」

そこでカルロス・ケビンはたまたま車に載せていたロープを使って子どもたちを引き上げ、ダナ・ロペスは救急隊と子どもたちの両親に連絡。

子どもたちはすでに低体温症になりかけていたため、車に積んであった防寒着を着せて温め、到着した両親へと引き渡したとのこと。幸いにして病院での治療は必要なかったそうだ。

ただ、その際にカルロス・ケビンは名乗りを上げておらず、後に少年たちの両親がお礼をしようと連絡したところ「今試合をしているので…」と言われたことからウエスカの選手だとようやく判明したという。

少年の父親であるミゲル・アンヘル・サントスは『Heraldo』に対して以下のようにコメントしていたそうだ。

ミゲル・アンヘル・サントス

「我々は近くの下宿でイースターの休暇をとっていた。息子は自転車に乗るために出かけていたんだ。

そして、息子は自転車から降りて運河の水を触ろうと思って転んだ。そして同行していた従兄弟も助けようと思って転び、水の中に落ちた。

午後8時半であたりは少し暗くなっており、彼らは叫んでいたが我々のところまで声が届かなかった。

何が起こっているのか電話で知らされたとき、人生で最悪の瞬間だった。カルロス・ケビンとダナ・ロペスは息子たちの守護天使だよ」

ケビン・カルロス・オモルイー・ベンヤミン、通称「カルロス・ケビン」は21歳。ナイジェリアにルーツを持っているスペイン人で、コパ・デル・レイではすでにトップチームにデビューし、ゴールも決めているFW。

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今回このエピソードが報じられたことにより、ピッチ内でもさらに注目を集める選手になりそうだ。

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