ウェンブリーで行われたFAカップ決勝で優勝を遂げたリヴァプール。ただ、試合前に国歌が演奏された際、サポーターたちはブーイングを浴びせていた。
ユルゲン・クロップ監督は「理由がない限り、我々の人々はそんなことはしない」と擁護したが、ボリス・ジョンソン首相の広報官は「国歌へのブーイングは絶対に受け入れられない」と批判している。
『Liverpool Echo』によれば、1980年以降、リヴァプールのファンたちは国歌にブーイングを浴びせてきたという。
その原因は、ヒルズボロの事件後に保守党政権が失敗したリヴァプール市の「managed decline」にあると指摘されることが多い(80年代の欧米で行われた繊維、造船、石炭、鉄鋼など斜陽産業への対応。コストや損失などを最小限に抑える衰退期のマネジメント)。
近年、マージーサイドの人々は国から見放され続けていると感じており、アンフィールドやグディソンパークの外にある生活困窮者を支援するフードバンクは不平等が広がっている証拠だと考えているという。
リヴァプール市と国との冷え切った関係は代表戦にも影響しており、多くのリヴァプール市民はW杯やEUROでもイングランド代表を応援しないとか。
アンフィールドにも「Scouse not English」というバナーが掲げられることが多い(scouseはリヴァプール人の意味)。