今年11月に開幕を迎えるワールドカップ。その会場となるのは中東の国カタールである。
この大会に対しては非常に激しい批判が行われており、その理由はカタールにおける人権侵害である。
一つはLGBTIQ+(Lesbian, Gay, Bisexual, Trans, Intersex and Queer、いわゆる性的マイノリティ)を厳しく禁じる法律が存在していること。
もう一つは移民や出稼ぎ労働者に対する人権侵害で、ワールドカップの会場やインフラを整備する工事において10年で6500人以上の死亡者が出ていると伝えられている。
予選中にもノルウェー代表などから大会の開催に疑問符をつける抗議が行われていたほか、先日はルイス・ファンハール監督が「お金とビジネスだけの大会」と批判していた。
『BBC』によれば、今回ワールドカップ2022の事務局長を務めているハッサン・アル・タワディ氏は以下のように説明したそうだ。
ハッサン・アル・タワディ
「一部の人々による抗議は、私の見解からは『情報不足』であると言える。
我々は他の国と同じようにサッカーに夢中だ。この地域を世界に紹介し、我々への認識を変えてもらおうという正当な野心があるのだ。
ここは比較的保守的な国であり、公の場で愛情表現を見せる文化はない。しかし、おもてなしや世界の様々な地域の人々を迎え入れることは、我々の文化の一つなのだ。
労働者の死亡者については、人口規模と統計における予想の範囲内にある。
(ワールドカップ2022は『スポーツウォッシング』(国の問題をスポーツで覆い隠すもの)ではないか)
過去12年間の進歩を見れば、スポーツウォッシングの概念自体がなくなったと思う。
常にやるべきことはたくさんある。それはイングランドでも同じことだ。世界のいかなる国も理想的なシステムを備えてはいない」