今季も熾烈な上位争いが展開されているJ2において、破竹の勢いで浮上したクラブがある。2019年シーズン以来となるJ1の舞台を目指すジュビロ磐田だ。

開幕からのリーグ戦5試合を終えた段階で11位だった順位は、第6節・ファジアーノ岡山戦での勝利をきっかけにどんどん上昇していく。そこから第9節・大宮アルディージャ戦まで4連勝を飾ると、第11節・栃木SC戦からは12戦負けなし(9勝3分)を記録。その道中では7試合連続完封勝利という文句なしの結果も残して、一気にJ1昇格圏内へ駆け上がったのだった。

今回の当コラムでは、前半戦で快調に勝ち点を積み重ねた磐田に着目し、チームのコンセプトや中断期間明けの注目点を述べていきたい。

■今シーズンの基本システム

まずは、今季の基本システムおよびメンバーを見ておこう。

守護神は第6節のファジアーノ岡山戦から定位置を掴んだ三浦龍輝で、最終ラインは右が森岡陸または鈴木雄斗、リベロがDFリーダーの大井健太郎、左が山本義道の3バック。

ダブルボランチは遠藤保仁と山本康裕を軸にクローザー役として今野泰幸が起用され、ウイングバックは右が鈴木雄または小川大貴で、左はマルチロールの松本昌也。

実力者が顔を揃える2列目は、山田大記・大津祐樹・大森晃太郎・小川航基・藤川虎太朗らがポジションを争い、1トップはリーグ戦12ゴールをマークしているエースのルキアンのほかに、ファビアン・ゴンザレスまたは小川航が配されている。