6月11日から開幕するEURO2020を取材する予定となっていたロシア人ジャーナリストのノーベル・アロウスタミヤン氏が、突如取材許可を取り消されたとのこと。
ノーベル・アロウスタミヤン氏は名前から想像できるとおりアルメニア系のロシア人ジャーナリスト。ロシアではスポーツ系の放送局『Match TV』で取材を行っている。
今回のEURO2020は欧州の各国で分散開催されるため、ジャーナリストの取材許可は開催地となる11カ国全ての承認が必要になる。
ノーベル・アロウスタミヤン氏は今回アゼルバイジャン共和国の委員会からの承認が取り消され、大会直前に取材が不可能になったという。
その理由は、2020年末に発生したアルメニアとアゼルバイジャンの戦争において、ノーベル・アロウスタミヤン氏が紛争地のナゴルノ・カラバフを訪れていた渡航履歴があったためだそう。
アゼルバイジャンサッカー協会の副会長を務めているエルハン・ママドフ氏は、「彼は占領地を何度か訪れている。彼は我が国の法律に違反しており、アゼルバイジャンの領土保全に対する敬意の欠如を示した」とアロウスタミヤン氏の承認取り消しについての理由を説明したとのことだ。
『Match TV』はもちろんこの判断に対して「スポーツマンシップが欠如している」としてアゼルバイジャン側を批判しているという。
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ナゴルノ・カラバフはアゼルバイジャンの西部にある地域で、アルメニア人が人口の多くを占めている場所である。
アゼルバイジャンとアルメニアの両国が領有権を主張しており、昨年9月から11月まで激しい戦闘が行われた。その結果6000人以上が死亡したと伝えられている。