イングランドの4部にあたるリーグ・ツーに所属しているフォレスト・グリーン・ローヴァーズが、英国の男子プロリーグで初の女性監督を雇う可能性があるようだ。
フォレスト・グリーン・ローヴァーズは今季開幕から好調を続けていたものの、このところ勝利から見放されていた。しかもこの4試合を4連敗で順位も7位まで下がってしまった。
そこで監督を務めていたマーク・クーパー氏を解任することを決め、現在は指揮官が不在の状態となっている。
『The SUN』の記事によれば、フォレスト・グリーン・ローヴァーズには70名以上からの売り込みがあったそう。
しかしながらオーナーのデイル・ヴィンス氏は現在、アカデミーの責任者を務めているハンナ・ディングリーを監督に昇格させる可能性を検討しているという。
ハンナ・ディングリーは小学校で男子に混ざってサッカーをしていたが、中学校ではチームがなかったためにプレーできず、指導者に転身したという女性だ。
スウォンジー・シティで働きながらトレーニングを学び、大学でスポーツサイエンスを修め、サッカーを研究した。UEFAのProライセンスも所有しており、プロチームを率いる資格も持っている。
ノンリーグのクラブでコーチを何年もの間勤めた後、バートン・アルビオンでコーチングセクターの責任者となり、2019年にフォレスト・グリーン・ローヴァーズに引き抜かれた。
アカデミーの責任者としてはかなりの辣腕を振るっていると伝えられており、フォレスト・グリーン・ローヴァーズからは高い評価を受けているそうだ。
フォレスト・グリーン・ローヴァーズは「世界で最初のヴィーガンクラブ」というスローガンを表明しているクラブで、持続可能な開発に取り組んでいる。あのエクトル・ベジェリンが第2位株主を務めていることでも有名だ。
ユニフォームは再生プラスチック、シンガードは竹で制作し、建築中の新スタジアムは完全木造で、太陽電池も完備。クラブで出される食事はすべてヴィーガン用のものとなっている。
【動画】これがフォレスト・グリーン・ローヴァーズが使用する「竹のシンガード」(すねあて」市販してほしい!
そのようなクラブを経営しているデイル・ヴィンス氏は今回画期的な任命を行うことに前向きであるとも。
なお、これまでイングランドでは男子のプロチームを女性監督が率いたことはない。先日はAFCウィンブルドンがチェルシー女子のエマ・ヘイズ監督を引き抜くという噂もあったが、それは実現しなかった。
もしフォレスト・グリーン・ローヴァーズがその先鞭をつけるとすれば、また彼らの存在感が増すことになりそうだ。