一般社団法人ナイトタイムエコノミー推進協議会(JNEA)が主催するウェブセミナーが9月28日に開催され、Jリーグの村井満チェアマンが登壇した。

この日行われたのは、『With/After CORONA 新しいスポーツビジネスのありかた』と題したセミナー。with コロナでのスポーツ界の課題と今後のスポーツイベントのあり方を議論し、業界としての取組み姿勢や問題意識を社会に広めることを目指し、『音楽ライブエンタメ』をテーマにした7月の第1回に続く第2回目として開催された。

その第一部では、「コロナ禍におけるスポーツが直面する課題と再開への道筋」をテーマに、村井チェアマン、NPB(プロ野球)の斉藤惇コミッショナー、Bリーグの島田慎二チェアマン、さらには京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授が出席。半年にわたるコロナ対応と現在に至るまでに直面した課題、今後を見据えた行政との連携などが議論された。

このなかで、プロスポーツ団体を束ねる3人が口を揃えていたのは、新型コロナによる収益面のダメージ。Jリーグはクラブ収益のおよそ20%を占める入場料が7-8割減となっており、スポンサー収入は今季よりも来季の影響が心配だという。プロ野球も全球団が相当の赤字、Bリーグは所属チームの7割が赤字、4割が債務超過など、具体的な数字とともに厳しい現状が語られた。

一方、日本のプロスポーツ界の二大巨頭であるJリーグとNPBの“絆”のようなものも今回のセミナーではうかがえた。第一部では途中から、宮沢准教授がウイルスの専門家として持論を展開。スポーツ界のコロナへの対応や厳しいガイドラインなどにたびたび疑問を呈した。

それに対し、村井チェアマンや斉藤コミッショナーは行政や自治体との手続きやリアルな現場の声などを丁寧に説明。今回の非常事態で初めて連携することになった両団体だが、コロナについて一緒に学びながら試行錯誤しつつ物事を進めてきたことで、様々な制限はありながらもプロスポーツの興行ができている現在があることを強調していた。

村井チェアマンと金融界や経済界で業績を残してきた斉藤コミッショナーのやり取りは非常に円滑で、コロナ以降毎週のようにミーティングを重ねてきた両者の信頼関係が強く感じられるセミナーでもあった。

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セミナーの様子はこちらの動画で視聴可能。第二部の「With/Afterコロナ時代の新たなスポーツ観戦とスポーツと社会の繋がり」も面白いので気になる方はぜひチェックしてみてほしい。

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