明らかになった「俯瞰力」の不足

ヨーロッパで活躍している選手も多く、選手の平均的なスキルが高い日本代表だが、多くの選手は「チームの中で、輝く役割を与えられている」傾向にある。

持久力や俊敏性、テクニックやポジショニングで勝負する選手は多くても、「チームを調整する」能力を評価される選手は希少だ。その事実こそ、日本代表が超えなければならない壁なのだろう。

例えばアイスランド代表は、日本代表と比べれば圧倒的にアタッカーの層は薄いかもしれない。しかし、一方で11人全員が徹底した教育によって「鎖」のようなゾーンディフェンスでスペースを埋め、組織的に攻撃を阻害する。そういった基礎のスキルが徹底されていないことが日本代表の抱える課題であり、そんな中でも多くの名選手が生まれていることは十分なポテンシャルを示している。

退場したコロンビアを相手にした前半は、攻守両面において対応力の不足を感じさせた。攻撃ではファルカオが1人しか前線に残っていない状況で、低いゾーンでの数的優位を活かせない。積極的に川島を使って、CBとの3対1という状況を作り出し、余裕を持ってボールを前進させることもできたはずだ。

SBの位置も高く、ポゼッションのサポートには距離が離れ過ぎてしまうことが多く、円滑なビルドアップができなかった。チーム全体で個々が「俯瞰」することによって様々な工夫を見せなければならなかったことに加え、西野監督も「簡単ではないとはいえ」チームにメッセージを送ることはできたはずだ。

攻撃の局面では意図の合わない縦パスやSBの無謀なオーバーラップが続き、コロンビアにカウンターを浴びる場面が目立った。セントラルハーフ2枚が高い位置を保ち過ぎて、ファルカオのポストプレーを拾われるスペースを消し切れなかったのも痛恨だった。