『Nature』は13日、「ワールドカップの開催は、ロシアの生化学研究室に打撃となる」と報じた。
14日に開幕を迎えるロシア・ワールドカップ。およそ1ヶ月に渡って、世界最高峰のサッカーが繰り広げられる。
多くのサッカーファンがその一大イベントを待ち望んでいるが、ロシアの研究者は「サッカーを見るしかやることがない」ことになるかもしれないという。
ワールドカップに向けて、ロシア政府はセキュリティを極めて厳しく強化しており、テロに対しても万全の措置を執っている。
そのためすでに有害な化学物質や放射性物質の販売と輸送が2ヶ月間禁止されているのだ。
モスクワを初めとするワールドカップの開催地には多くの研究施設があり、彼らの業務に支障をきたしているという。
ウラジーミル・プーチン大統領は、3月に再選される前にロシア国内の研究基盤を強化することを約束していた。
しかしいきなりの2ヶ月間物資輸送の停止とあって、約束とは逆の方法へと進んでいる様子。
オーストリア科学技術研究所のロシア人生物学者フョドル・コンドラショフ氏は「完全に自由ではない国で最先端の研究をすることの難しさを表している」と評価したとのことだ。