ヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表は6月、親善試合でシリア、そしてロシアワールドカップ予選でイラクと対戦した。
結果は、いずれも1-1の引き分け。守備の対応を誤るなどで失点を喫した一方、攻撃陣も先制した後の追加点、あるいは同点とされた後の勝ち越し点を奪うことができなかった。イラク戦では守備陣に負傷者が相次いだとはいえ、攻撃で“もうひと押し”ができる人材が出てきてほしいと感じる試合だった。
南野拓実はその打開策として期待される選手の一人だ。
昨年リオデジャネイロ五輪に出場した22歳は現在、オーストリアのレッドブル・ザルツブルクに在籍している。チームは国内最強を誇り、2016-17シーズンもリーグとカップの二冠を達成。そのザルツブルクにおいて南野は、チーム2位の11得点を記録。90分当たりの得点率を見ると、ほぼ1試合1得点という驚異的なペースでゴールを記録した。
一方で、出場したのはリーグ戦36試合中20試合。先発はわずか10試合と、こちらの数字だけを見ると決して順調だったとはいえない。そんな昨シーズンは、南野の中でどういった位置付けだったのか。オーストリアへ渡って2年半がたった彼に聞いてみた。
――2015年1月にオーストリアへ行かれて、2年半が経ちました。自分のプレーの中で通じた部分と、足りない部分についてはどのように感じていますか?
オーストリアのリーグに関しては、得点することはある程度自信を持っています。具体的に言えば、ゴール前でのポジショニングであったり、相手を外してシュートを打ったり。自分は攻撃の選手なので、自分の長所は通用するという印象です。
課題としては、シーズンの後半はFWとしてプレーすることが多かったのですが、そのときのシンプルな体のぶつかり合い。いつも良いボールが飛んでくるわけではないので、どうやってマイボールにするのか。日本代表のハリルホジッチ監督が言う“デュエル”の部分はまだまだ難しいところがあるなと感じています。体の当て方やボールをどこにトラップして次のプレーに繋げるかなどは改善の余地がありますね。
――ザルツブルクではFWや中盤のサイドなど複数のポジションで出場しています。個人的にやりやすいと感じるポジションはどこですか?
今のチームであればFWが一番やりやすいです。監督にも試合に出られない時期、「サイドで出られないならFWで使ってほしい」と直接伝えました。その後は主にFWとしてプレーしましたが、個人的にはシャドーやサイド、どこに入ってもゴール・アシストに絡んでいけるようにと考えています。
――たとえば、4-2-3-1の1トップのように一人で真ん中に張るような形も?
そうですね。やれと言われればイメージはあります。