17日(月)、埼玉スタジアムで開催された鈴木啓太の引退試合。

浦和レッズOB主体のチーム(REDS LEGENDS)が、鈴木啓太と同じ時代に日の丸を背負った選手主体のチーム(BLUE FRIENDS)と対戦した。

豪華メンバーが揃ったゲームは4-4という白熱の展開に。なかでも最も盛り上がったシーンは試合終盤に訪れた。

REDS LEGENDSが4-3とリードし迎えた88分、ペナルティエリア内で坪井慶介が福西崇史を倒してしまい、BLUE FRIENDSにPKが与えられる。

決めれば同点という試合を分ける場面で、監督を務めた岡田武史氏が見せた采配が“粋”だった。

本来はREDS LEGENDSの一員として登録されていた岡野雅行に急遽ユニフォームを着せピッチに投入させると、PKキッカーを任せたのだ。

岡田氏と岡野といえば、なんといっても1998年ワールドカップに向けたアジア最終予選のエピソードだ。

「勝てばワールドカップ初出場」という状況で迎えたイラン戦、岡野は途中出場ながら118分に劇的なゴールデンゴールを決め、日本に初のワールドカップ行きをもたらした。いわゆる「ジョホールバルの歓喜」である。

日本のサッカーファンであれば誰しも知っているそうしたエピソードを再現させるかのように、岡田氏はこの場面で岡野を起用したのだった。そして…

“野人”岡野はこれを見事成功!

ゴール後、一目散に岡田氏のもとへと走っていき、監督もこれに呼応。まるで1997年当時のような光景に、見ているサッカーファンは胸を熱くしたのだった。

これを見た実況の倉敷保雄氏は「感動したなー、あの時!」と話しつつPKの行方を見守り、岡野が岡田氏と抱擁した際には「見たことあるぞー!」と思わず語気を強めていた。


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