15日に行われた今シーズンのルヴァンカップ決勝。

ガンバ大阪対浦和レッズの試合は、1-1のまま90分を終えると延長戦でも決着がつかずPK戦へ。結局5人全員が成功した浦和が勝利し、ミハイロ・ペトロヴィッチ体制では初となるカップタイトルを手にした。

勝負の分かれ目となったのは4人目。

先攻のG大阪は呉屋大翔が失敗し、直後に浦和の李忠成が成功する。

これにより、浦和としては「G大阪の5人目である遠藤保仁が失敗すれば勝利」、「あるいは浦和の5人目である遠藤航が成功すれば勝利」という優勝目前の状況となった。

試合が行われた埼玉スタジアムは浦和レッズのホームであり、サポーターの割合では浦和に軍配が上がっていた。そして、このタイミングで生まれた浦和のチャントは魂を揺さぶるものだった。

ゴール裏から発生したチャントは瞬く間にメインスタンド、バックスタンドへと“伝播”し、スタジアム全体が「We Are Reds!」コールに包まれた。

私はこの時バックスタンドで試合を見ていたが、地鳴りのようなボリュームに鳥肌が立つのを感じた。

この試合でも何度かそのチャントは聞かれたが、遠藤保仁が蹴る直前に生まれた「We Are Reds!」コールは明らかにそれまでとは異質なものであった。実際、浦和ファンの間でもこの時の雰囲気については話題となっているようで、「過去最高」と感じるサポーターもいたという。

もちろん、本来は国立競技場で行われる決勝が浦和のホームスタジアムで開催されたという特殊な事情はある。しかし、これだけ一体感のある応援と圧巻の威圧感は浦和のファンだから醸し出すことができるものだったのあろう。

見どころの多い試合であったが、まさにスタジアムが“一つ”になった極上の瞬間であった。

もちろん、これだけのプレッシャーを受けながらも飄々とPKを成功させる遠藤保仁も流石であることは言うまでもない。

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