先日のベネズエラ戦でアルゼンチン代表54ゴール目を決め、ガブリエル・バティストゥータの持つ同国の歴代最多得点記録に並んだメッシ。

54という数字は一般的に見るととてつもない数字である。しかし、一方で未だに「代表で活躍できない」イメージを払拭できていないのも事実だろう。

その理由はなんだろうか?ありとあらゆるタイトルを総なめしているバルセロナに比べ、何も勝ち得ていないから?

もちろんそれもあるが、数字には如実に表れていた。

こちらは54ゴールの内訳だが、27ゴールが親善試合で、(予選でこそ15ゴールを決めているものの)大舞台ではワールドカップとコパ・アメリカを通算しても12ゴールしか決めていなかったのだ。

メッシは2005年の代表デビューからこれまで111試合に出場し、ワールドカップには2006年から3大会連続で、コパ・アメリカには2007年から今大会まで4大会連続で出場している。

しかし、ワールドカップでは2006年大会で10代にしてゴールを記録したものの、エースとして参加した2010年大会はノーゴール。2014年大会はグループステ―ジでこそ4ゴールをマークしたが、決勝トーナメントでは無得点に終わった。コパ・アメリカでは今大会の活躍で7ゴールに伸ばしたが、それまで3大会でたったの3点しか決めていなかったのである。

12ゴールという数字はこれまた一般的にはなかなか立派なものだが、メッシの実績を考えると極端に低い得点率と言えよう。

それは得点数で並ぶバティストゥータと比較するとよく分かる。

バティの代表での出場数は77(78説もある)と、メッシに比べると30以上も少ない。

その中でもバティはワールドカップとコパ・アメリカで合計23ゴールを決め、1991、1993年のコパ・アメリカ連覇に貢献しているのだ。アルゼンチンは現在、23年間もA代表での国際タイトルから遠ざかっているが、最後に獲得したのがこの1993年大会のコパ・アメリカなのである。

ただ、今大会のメッシはこれまでとは違う姿を見せている。

負傷を抱えた状態で大会開幕を迎えたが、パナマ戦で途中出場からハットトリックを達成すると、ベネズエラ戦では1ゴール2アシストを記録。限られた時間ではあるが、バルセロナでプレーしている時のようなコンビネーションを見せ始めているのだ。

2014年のワールドカップ、昨年のコパ・アメリカはあと一歩というところで準優勝に終わった。しかし、エースの本領発揮によって、この不名誉な時代に終止符を打つのかもしれない。

アルゼンチンは21日、決勝進出をかけ開催国アメリカと対戦する。

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