今シーズン最大の驚きといえば、やはりプレミアリーグのレスター・シティ。週末のアーセナル戦こそ敗戦してしまったが、現時点で堂々たるプレミアリーグ首位をキープしており、(優勝争い中のチームを除く)世界中のサッカーファンが”ミラクル優勝”の達成を期待していると言って過言ではない。

チームの主力はプレミアリーグの連続ゴール記録を打ち立てたFWジェイミー・ヴァーディと、アルジェリア代表MFのリヤド・マフレズ。もちろん、日本代表FW岡崎慎司も確かな存在感を発揮しており、DFロベルト・フート、MFエンゴロ・カンテ、MFダニー・ドリンクウォーターらと共に世界的な知名度が向上している。

さて、そんなレスター・シティが狙う”ミラクル優勝”を既に達成したチームが無いか調査してみたのでご紹介しよう。

ヴォルフスブルク(2008-09)

日本代表MF長谷部誠も主力として貢献した2008-09シーズンのヴォルフスブルクは「ミラクル優勝」を達成したチームといって過言ではない。

世界的な自動車メーカーであるフォルクスワーゲンをスポンサーに持ち、現在はドイツ国内の上位クラブであるヴォルフスブルクだが、クラブ史上初のタイトルが2008-09シーズンであった。

きっかけは2007-08シーズンに指揮官に就任したフェリックス・マガト。シュトゥットガルトやバイエルンで実績を残した”鬼軍曹”の着任により変貌を遂げる。ブンデスリーガ中位以下のクラブであったヴォルフスブルクが、クラブ史上最高の5位でフィニッシュしたのだ。

翌2008-09シーズン、ヴォルフスブルクは奇跡を具現化する。攻撃の中心はグラフィッチ、エディン・ジェコ、そしてズヴェズダン・ミシモヴィッチ。守備陣には2006年のワールドカップを制覇したイタリア代表のメンバーであるアンドレア・バルザッリとクリスティアン・ザッカルドが在籍していた。4月にバイエルンに圧勝して首位に立つと、そのまま優勝。長谷部は主力として25試合に出場し、2009年の1月に加入した大久保嘉人は9試合に出場した。

ヴォルフスブルクは1945年にクラブが創設されたが、1部に昇格したのは1997年のこと。半世紀以上かけて昇格して以来、2部落ちは経験していない。しかし、順位はボトムハーフが基本であり、幾度も降格の危機にさらされた。

2007-08シーズンの5位の前の最高位フィニッシュは1998-99シーズンの6位。2008-09シーズンのヴォルフスブルクがマイスターシャーレを獲得したことは「ミラクル優勝」と言って過言ではないだろう。

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