サッカー、およびフットボールの漢字表記として知られる「蹴球」。その名を持つサッカー雑誌が、昨年、再び世に登場した。
昨年5月に創刊された『SHUKYU Magazine』。
日本サッカー協会(JFA)の前身である大日本蹴球協会が1931年に創刊した機関紙『蹴球』の名を受け継いだ、フットボールカルチャーマガジンだ。
彼らはその“思い”について、以下のように記している。
大日本蹴球協会(現JFA)の機関紙『蹴球』が創刊された当時、日本サッカーに携わる人々に共通していたのは、サッカーがまだまだ日本ではマイナーなスポーツであるという深い自覚と、これから日本中に広めていこうとする並々ならぬ気概でした。
それから85年経った現在、サッカーは日本全国津々浦々、老若男女問わずあらゆる人々に楽しまれるようになりました。
2015年の日本サッカーを取り巻くメディア環境に目を向けると、スマートフォンやソーシャルメディアの普及にともない、いつでもあらゆる場所から知りたい情報にアクセスしやすくなった一方、検索に引っかからない情報に接する機会はますます減ってきています。
すべて知り尽くされたかのような幻想に覆われていく世界の中で、いかにして未知のものと出会い、伝えていくのか?
SHUKYU Magazineは、既存のスポーツメディアのあり方を見つめ直し、未来に向けた挑戦を始めます。日々溢れている情報の中から、自分たちの主観に基づき編集していくことで、新しい物語を作っていきます。
日本サッカー黎明期に手探りで編み上げられていった『蹴球』という物語が日本サッカーの未来を作ったように。
創刊号では、「ROOTS ISSUE (ルーツ特集)」と題し、サッカーにまつわる事象の成り立ちや経緯を様々な角度(選手・クラブ・建築・道具・出版物など)を通して調べ、改めてその価値を発見する特集を掲載。
昨年FIFA会長賞を受賞した、現役最年長スポーツライターである賀川浩氏や、2つのルーツを持つ日本代表DF酒井高徳へのインタビュー、またボルシア・ドルトムントの成り立ちなど、興味深い内容が詰まっていた。