現在大きな話題になっているジェフ千葉の動き。実に23名もの選手がチームを離れることになり、プレシーズンの始動を前に大きな変革が行われている。
Qolyでは以前ブラックプールの選手が8人しか残らなかったことでシーズン開始すらも危うくなっていたという記事を掲載した。
しかし、実はポルトガルリーグで28名、冬移籍を加えれば31名中4名しか残らなかったクラブがある。それが2009-10シーズン前のヴィトーリア・セトゥバウだ。
この街出身のジョゼ・モウリーニョがファンであることで知られているクラブであるが、近年はリーグでも常に残留を争わなければならない立場。
2008-09シーズンは30試合を戦ってわずか21点しか取れず、降格圏まであと1つという14位(エストレラ・アマドーラが破産したため、最終的には15位のベレネンセスまで残留しているが)に沈んだ。
それを受けてクラブは大きな変革を決断し、次々と選手を放出していった。この取り引きのデータには各所ユースの扱いが違うことからバラツキはあるが、『Transfermarkt』によれば2008-09シーズンの選手の去就は以下のようになっている。
GK:
- ブルーノ・ヴァレ(→ポルトへローンバック)
- ペドロ・アウヴェス(→ピニャルノヴェンセ)
- パヴェウ・キシェク(→ブラガへローンバック)
- ニコラ・ミロイェヴィッチ(→無所属)
DF:
- マルコ・ゾロ
- ロブソン(→マリティモ)
- ウーゴ(→ベイラ・マール)
- アウリ(→コヴィリャン)
- アンデルソン・ド・オー(→AEPパフォス)
- アンドレ・マルケス(→スポルティングにローンバック)
- アリ・シソコ(→ポルト)※2009年1月
- ジャニシオ・マルティンス(→アノルソシス)
- ミシェウ(→イトゥンビアラ)
- フィリペ・ブリゲス
MF:
- サンドロ
- エリアス(→ウニオン・レイリア)
- リカルド・シャヴェス(→リオ・アヴェ)
- ダニーロ・ポルトガウ(→ゴイアスにローンバック)
- ブルーノ・リベイロ(→シャヴェス)
- レアンドリーニョ(→ポルトにローンバック)
- マテウス・ボルジェス(→グレミオ・アナポリスにローンバック)
- パウロ・レグラ
- ブルーノ・ガマ(→ポルトへローンバック)
FW:
- ライオネウ(→グレミオ・アナポリスにローンバック)
- ブルーノ・モラエス(→ポルトへローンバック)
- ジョエアーノ(→エルミス・アラディポウ)
- レアンドロ・ブランコ(→クリシウーマ)
- レアンドロ・カリージョ(→南華足球隊)
- モイゼース(→セルタネンセ)
- キム・ビョンソク(→モンテディオ山形)※2009年1月
- カルロス・サレイロ(→スポルティングにローンバック)※2009年1月
31名中4名が残っているが、そのうちパウロ・レグラ、フィリペ・ブリゲスは2008-09途中でユースから昇格したばかりの選手だ。
さらにこれだけの選手を放出しているにもかかわらず、セトゥバウはこの夏のマーケットでは全く移籍金収入を得ていない。1月にアリ・シソコで30万ユーロ(およそ3850万円)を得ただけである。
そして結局セトゥバウはどうなったかと言えば……この年27名もの新戦力を獲得して戦いに臨んだが、結局成績は同じく14位と残留を争うことになり、勝ち点も26から25に下がってしまっている。世の中そんなに甘くないようで…。