8月2日、『Marca』は「国際NGOのヒューマンライツ財団(HRF)は、ガボンを訪問したアルゼンチン代表FWリオネル・メッシを批判した」と報じた。

当該の出来事は7月17日のもの。コパ・アメリカを終えたメッシはガボンを訪問し、2017年アフリカネイションズカップのメイン会場予定地の建設現場でセレモニーに出席している。

これには各方面から様々な物事に対する問題が出ており、メッシがTシャツ+ショートパンツ+ひげ面であったことからドレスコードが欠如しているという話があり、この訪問にガボン政府が莫大な支出をしたという指摘もあった。

さらに後日メッシがセレモニーで置いた記念の石が盗難に遭い、数日後には影も形もなくなってしまったというカオスな結末になった。

そして、どうやら問題はこれで終わるわけではないようだ。今度は人権問題に取り組んでいるNGOからメッシの行動に対して強い批判が寄せられているようだ。

ガボンの大統領を務めているアリ・ボンゴ・オンディンバ氏は、2009年から現職を務めている人物であるが、前任のオマール・ボンゴ氏の息子。つまり1967年からこのボンゴ家がガボンの権力を握っており、独裁的な政治が行われていることでも有名である。

アフリカの中では資源にも恵まれているガボンであるが、抑圧的で腐敗の多い政治が行われ、富が集中しているという批判も根強い国だ。

また、住民による宗教的な儀式(ある方法で人を殺害し、その肉体の一部を所有することで力を得るという迷信がある)で命を落とす者が後を絶たず、政府はその調査や取り締まりを拒んでいる。

そこにユニセフの大使も務めているメッシが訪問して友好を深めたことに対し、HRFは彼に抗議する声明を発表した。

ヒューマンライツ財団会長 トール・ハルヴォーセン

「ガボンのボンゴ・ファミリーの広報活動に手を貸すことは、リオネル・メッシが行っている慈善活動の信頼性を大きく損なうものである。

ガボンで行われている儀式のために殺害される子供達、その憎むべき犯罪を調査することを拒否する泥棒のような政治家を宣伝する機会を供給する。それは子どもの権利を支持し、ユニセフ大使も務めるメッシの行動としては矛盾するものだ。

メッシの旅行は、2017年アフリカネイションズカップを促進しようとするボンゴ・ファミリーの広報活動の1部だ。住民の20%が一日にわずか2ドルで暮らしている国の富をボンゴ・ファミリーが横領しているとしても、州の財源に莫大なコストをかけ、トーナメントはガボンで開催される」
ヒューマンライツ財団戦略室長 アレックス・グラッドスティーン

「メッシが本当にガボンの人々を助けたいのならば、虐げられている反体制派やメディアとの連帯を持ち、圧制者とパーティをする代わりに子供達の儀礼的殺害を調査するよう求める事を勧めたい」

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