今シーズン限りでリヴァプール退団を発表しているMFスティーヴン・ジェラード。
先週末、チェルシーとのアウェイゲームに先発出場を果たした。
Brendan Rodgers reflects on #LFC's draw at @ChelseaFC and praises Steven Gerrard's influence: http://t.co/o4sdE3TJbh pic.twitter.com/i0BQwM8wEZ
— Liverpool FC (@LFC) 2015, 5月 10
前節のQPR戦でゴールをあげていたジェラード。リヴァプールでのプレーは残り3試合であり、この日もキャプテンマークを巻きスタンフォード・ブリッジにピッチに立った。
さて、そんなジェラードにとってチェルシーという相手は特別な対戦チームである。
かつて、UEFAチャンピオンズリーグの決勝ラウンドで壮絶なバトルを繰り返し、幾多の名勝負を演じてきた。2005年夏にはチェルシー移籍も報じられ、ジェラード自身も移籍に前向きであったとを明かしている。さらに昨シーズンの第36節、優勝のためには勝利が必要だったチェルシー戦では自らの転倒により失点を献上し、結果的にタイトルを逃す形となった。
これがジェラードにとって最後のビッグマッチであり、その相手は奇しくもチェルシーであったのだ。さぞかし気合いが入っていたに違いない。
そんなジェラードに対しキックオフ直後、スタンフォード・ブリッジに訪れた観客たちは容赦ないチャントを浴びせる。
Steve Gerrard Gerrard
He slipped on his f*cking a*sse
He gave it to Demba Ba
Steve Gerrard Gerrard
(スティーヴ・ジェラード、ジェラード
ヤツは転んでそのボールをデンバ・バに渡したんだ
スティーヴ・ジェラード、ジェラード)
こちらは、本来アンフィールドで歌われているジェラードのチャントの歌詞を替え、ジェラードを蔑んだ歌である。昨シーズンのチェルシー戦でスリップしデンバ・バにボールを渡してしまったことをライバルチームのサポーターが“ネタ”にしているのだ。
今シーズン、マンチェスター・ユナイテッド戦でも確認できたこのチャント。この日、チェルシーのサポーターたちはキックオフの直後にこのチャントを大声で歌い、アウェイの洗礼を浴びせた。
それだけではなかった。チェルシーのファンの中には、このようなプラカードを持った人たちが多くいたのだ。
Chelsea fans keep bringing up old stuff http://t.co/Wh3up3BWbM pic.twitter.com/2UfDrdSSWD
— Soccer Gods (@soccergods) 2015, 5月 11
Gerrard on Sky Sports: "It was nice for the Chelsea fans to turn up for once today" http://t.co/5BB8kpwJFc pic.twitter.com/4fOFVFmpNZ
— ITV Football (@itvfootball) 2015, 5月 10
この黄色いカードには"Caution Steven Gerrard"とある。要は、こちらも昨シーズンのことをネタにして、ジェラードをネタにして遊んでいるのだ。このあたりのユーモアはきわめて英国的であり、ジェラードにとってのチェルシーとのラストゲームはきわめて居心地の悪いものだったに違いない。
そんなチェルシーのサポーターを、ジェラードは結果で黙らせる。
44分、ジョーダン・ヘンダーソンのクロスを頭で合わせ、同点弾を記録したのだ。スタンフォード・ブリッジは静寂に包まれ、一時スタジアムにはリヴァプールファンからの“本物”のチャントが轟いた。これがプレミアリーグ通算119得点目となったジェラードは、マイケル・オーウェンを抜きクラブ単独2位の記録を樹立した。