UEFA CL、ベスト4を懸けたレアル・マドリーとアトレティコ・マドリーの激戦に決着をつけたのはこの男だった。メキシコ人ストライカー、チチャリートことハビエル・エルナンデスだ。

ベンゼマ、ベイルの負傷もあり、ベルナベウでの決戦で先発起用されると、88分に値千金の決勝点をゲット。ヒーローになったチチャリートはこのようにその思いを語った。

「監督から数日前に起用を伝えられた。準備と集中をする必要があったし、これまでの試合でやってきたことと同じことをしたよ」、「この勝利はチーム全体、ファン、チームメイト、家族、そして僕に信頼をみせてくれた全ての人々によるものさ」

そして、この活躍をアンチェロッティ監督、そしてキャプテンであるカシージャスも讃えていた。

カルロ・アンチェロッティ
(レアル・マドリー監督)

「彼を祝福しなければならない。彼にとって難しいシーズンとなっていたからね。彼はあまりプレーしていなかったが、常によくトレーニングに取り組んでいたし、ハードに戦い犠牲にもなった。最後にはその報酬を得た。とてもいいプレーをしたし、とても生き生きとしていた。彼はあのゴールを決めるに値した。我々にとってとてつもなく重要なゴールを」
イケル・カシージャス
(レアル・マドリーGK)

「彼は本当にハッピーだったね。彼はとてもハードワークをする人間だけど、これまでのように多くプレーできていなかった。でも、素晴らしいセンスのあるプロフェッショナルなプライドを持つ選手だ」

さて、この試合チチャリートはヘセとの交代でベンチに下がるまで92分間ピッチに立っていたのだが、興味深いデータがあった。UEFAが発表している公式データからパスに関する値を抜き出したものがこちら。

TP=プレー時間、PC=パス成功数、PA=パス数、%=パス成功率。

注目はPAの列。 両チームを通じて一番パスが多いのがDFのセルヒオ・ラモスであったことはお伝えした通り。そして、この試合でプレーしたマドリーの選手のなかで逆に最もパス数が少なかったのがチチャリートなのだ。その数17本、GKカシージャスよりも少ない。

ちなみに、アトレティコのGKヤン・オブラクのパス数は19本。チチャリートは両GKよりもパス数が少なかったことになる。もともとパス回しに積極的に絡むタイプではないが、このデータからも得点を奪うことに特化した「必殺仕事人」ぶりが窺い知れる。

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