週末のJリーグにおける「気になる失点シーン」を振り返る企画。今回はインターナショナルマッチウィーク明けに開催された、J1の第4節から。

新たに船出したヴァヒド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表において、光るプレーを見せた新戦力の一人、宇佐美貴史。彼が所属のガンバ大阪に戻って早々、名古屋グランパスを相手に2ゴールを記録した。

気になるのはこの2点目である。

右サイドで阿部浩之と遠藤保仁がパス交換して時間を作り、風のように飛び出してきた右サイドバックの米倉恒貴へ阿部が絶妙のスルーパス。

そして米倉のマイナスのパスを宇佐美が楽々と流し込み、ガンバらしい見事な崩しで追加点を決めた。

ただしこのゴール、名古屋の守備が拙かったことも否めない。特にボランチに入っていたダニルソンの対応が気になる。

米倉へのスルーパスが出た段階で名古屋のDFラインはGKとの間のスペースを埋めるため下がることになり、当然彼らの前に生まれたスペースはボランチがカバーする。これはアマチュアでも当たり前の“ルール"だ。

ところがダニルソンは見ての通り、棒立ち。

数秒遅れて戻ったときは既に宇佐美がシュートをした後で、自慢のスピードを生かすことができなかった。

実際のところゴールを防げたかどうかは分からないが、少なくとも適切な対応ができていれば米倉と宇佐美によりプレッシャーをかけられたことは間違いない。

この失点に限らず、開幕から守備での緩慢さが目立つ西野朗監督率いる名古屋。ここまでJ1最多タイの8失点、最下位という成績もやむをえないところである。

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