ボカ・ジュニオルス、バルセロナ、ビジャレアルなどでプレーし、2006年ドイツW杯に出場した元アルゼンチン代表MF、フアン・ロマン・リケルメが25日(日本時間26日朝)、現役引退を表明した。

“ロマン"の愛称で知られるリケルメは1978年生まれの現在36歳。

1996年、18歳の時にボカでデビューすると、すぐにその針の穴に糸を通すような卓越したテクニックと比類なき創造性で、一躍アルゼンチンを担う選手として期待を集め、“ディエゴ・マラドーナの後継者"と称された。

1997年にワールドユースを制覇、2000年暮れに行われたトヨタカップ(現在のクラブW杯)ではスペインの巨人、レアル・マドリーを下して世界的な脚光を浴び、2002年に鳴り物入りでバルセロナへ加入。しかし、当時監督を務めていたオランダ人、ルイス・ファン・ハールはリケルメを頑なにサイドで起用し、古典的な10番、王様タイプのリケルメは全く真価を発揮できなかった。

その後、移籍したビジャレアルでは自由を与えられ活躍。ビエルサ体制で冷遇された代表にもユース時代の恩師ペケルマンの就任により復帰する。2006年ドイツW杯ではアルゼンチン代表の10番を背負い、ベスト8で敗退したものの絶対的な司令塔としてタクトをふるった。

また、2008年に北京で開催された五輪にはOA(オーバーエイジ)として参加し、メッシ、アグエロらを従え連覇の立役者となるなど、ブラジルのロナウジーニョらとともに2000年代の南米を象徴するスーパースターであった。

若きリケルメはマラドーナの、若きテベスはリケルメの背中を追った

クラブレベルでは欧州から帰還後の2007年にコパ・リベルタドーレスでボカを優勝に導きMVPを受賞。以降もクラブ唯一無二、絶対不可侵のアイドルとしてボケンセの寵愛を一身に受けたが、昨夏、惜しまれつつボカを退団。かつてマラドーナがプレーし、また、自身もユース時代に所属していた古巣アルヘンティノスへ戻り、年末まで2部でプレーしていた。

リケルメは以前、「40歳まで現役でプレーする」と語り、ここ数日はパラグアイの強豪セロ・ポルテーニョなどへの移籍が囁かれていたが、この日の会見で、

「もうこれ以上サッカーをしないという決断を下した。これ以上現役でプレーし続ける気持ちを保つことが難しいと分かったんだ」

と、引退の理由を説明している。

アディオス、ロマン

【厳選Qoly】東南アジア最強を決める三菱電機カップで日本出身選手が躍動!活躍する日本出身の5選手を紹介