14日に韓国・仁川で開幕したアジア大会の女子サッカー。23日までにグループステージ(予選)を終了し、B組を2勝1分けの首位で決勝トーナメントへ駒を進めた“なでしこジャパン”こと日本女子代表も今夜、準決勝進出をかけて香港代表と対戦するが、その香港のグループステージでの成績が凄かった。

香港は北朝鮮、ベトナムと同じC組に入ったが、

なんと0勝2敗0得点10失点!

未勝利に無得点・大量失点と断トツのグループ最下位にもかかわらず、決勝トーナメント進出とは一体どういうことだろうか。その秘密は今大会のレギュレーションにあった。

ご存知の通りグループステージは近年、首位と2位の2チーム突破が基本であるが、U-17W杯やコパ・アメリカ、ゴールドカップのように参加国数の兼ね合いで、各組3位の成績上位数チームまでが決勝トーナメントへ進出する大会も少なくない。

今大会の女子サッカーには11ヵ国が参加しており、グループはA-C組の3つ。決勝トーナメント枠は8つのため、各グループ2位までの6ヵ国と同3位の2ヵ国が進出するレギュレーションとなっている。しかし、各グループ3位の成績を見てみると・・・

A組のインドが1勝2敗得失点差-5、B組の台湾(チャイニーズ・タイペイ)が1分2敗得失点差-7、C組の香港が2敗得失点差-10と、数字だけ見ると香港は最下位である。

しかしながら香港の入ったC組は3ヵ国で2試合しかないため、おそらく成績での比較が困難なためであろう。この大会ではグループ上位2チームとの(直接対決での)成績で判断されるレギュレーションとなっていたのである。

そのため、C組首位の北朝鮮に0-5、2位ベトナムに0-5で敗れた香港(得失点差-10)は、初戦でモルジブ相手に15-0と大勝しながらA組首位の韓国に0-10、2位タイに0-10で敗れたインド(得失点差-20)を上回り、B組首位の日本に0-3、2位中国に0-4で敗れた台湾(得失点差-7)と共に決勝トーナメントへ進出したというわけである。

大会ごとに出場国の数が安定しないことと競技レベルの高低差に起因する、つまりアジア各国にまだまだ女子サッカーが根付いていないことを象徴する珍事であろう。日本はそんな香港と対戦するわけだが、もちろん油断は禁物である。最後まで気を抜かず、ベスト4進出を勝ち取って欲しい。

がんばれ、なでしこ!

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