ブラジルW杯が閉幕してから50日あまりが経過し、各国はW杯閉幕後初となる代表戦を戦っている。
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@Argentina are in charge against @DFB_Team_EN in the #WorldCup Final rematch. Pics - http://t.co/zb14606VPs pic.twitter.com/MXwz8uPmf0
— FIFA.com (@FIFAcom)
2014, 9月 3
デュッセルドルフではドイツがアルゼンチンと激突し、ロンドンではイングランドとノルウェーが対戦。さきほどは札幌でアギーレ・ジャパンの初陣となるウルグアイ戦が行われ、日本でも新チームがついに稼働した。そのゴールこそ違えど、世界各地で目標に向けた新たなチーム作りが始まったのだ。
現地時間4日、ブラジルW杯に出場した強豪国同士が早速対戦を果たしている。アントニオ・コンテを新監督に迎えたイタリア代表と、フース・ヒディンクが6年ぶりに再任したオランダ代表のテストマッチだ。
結果は2-0でイタリアが勝利。 ユヴェントスとの契約を解除したアントニオ・コンテはフレッシュなメンバーをこの試合でテストし、チーロ・インモービレとダニエレ・デ・ロッシのゴールで“伊達男集団”イタリアが華々しいスタートを切った。
そんな強豪国同士のソーシャルメディア交流に、ちょっとした微笑ましいやりとりがあった。試合前日、オランダ代表チームのInstagram公式アカウントが1枚の写真を投稿したのである。
両チームの国旗をバックに、ガッチリと握手をした構図のこの写真。イタリア代表チームにリスペクトを払い、健闘を誓うという意志の表れだ。
キャプションには#oranjeや#onsoranje、#voetbalといったオランダのサッカー用語だけでなく、#calcio、#azzuriといったイタリアのサッカー用語も添えられていた。これはオランダ代表チームの宣誓であり、間違いなくイタリア代表チームに向けたメッセージでもあった。
実は、オランダ代表チームがこれを投稿したのにはある背景がある。
このさらに前日、対戦相手のイタリア代表チームがこんな企画をしていたのだ。
ステファン・エル・シャラウィ(イタリア代表)
「やあ、オランダ代表チーム!ようこそイタリアへ。
木曜日の夜、美しきバーリでお目にかかろう。
ピッチの中でも外でもフェアプレーで、華麗な試合になることを願っているよ。
ベストなチームが勝ちますように!」
イタリア代表のFWステファン・エル・シャラウィが公式Youtubeチャンネルに登場し、オランダへのメッセージを述べている。時間にしてわずか12秒のことだが、字幕にしっかりと英語をつけているあたり、これがただの自己満足ではないことが分かる。
代表戦というプライドをかけた一戦でありながら、それはそれと割り切り、誰でもアクセス可能な情報発信ツールで健闘を誓い合う―。まさしくソーシャル時代のフェアプレーの形であり、こういった試みの連鎖が世界中の人々の心を掴んでいくのだと強く思わせる。
そして、この直後、イタリア代表のInstagramアカウントも再びこれに応じている。
オランダ側の宣誓を受け取ったという主張だ。
かつて、試合前のソーシャルメディア交流でこれほど友好的なものがあっただろうか。自社メディアを通じて対戦相手のチームに呼びかけ、対戦相手もそれに呼応。そこからコミュニケーションが広がり、世界中のファンに見える形でそれらは展開、共感、拡散されていった。
そうした一連のムーブメントを可能にしたのは、単に広報ツールとして利用するのではなく、まさにサッカーというスポーツの素晴らしさを訴求するためにこうしたソーシャルメディアを活用するという広報部の姿勢である。
私たちは今、ソーシャル時代に生きている。コミュニケーションのリアルタイム化、可視化された現代だからこそ、そしてサッカーというワールドワイドなスポーツだからこそ、こういったトライを各チームの広報部には挑んでいってもらいたい。