グループステージの一回り目が終了し、早くも悲喜こもごもが生まれているブラジルW杯。オランダ代表はもっとも大きな喜びを手にしたチームの一つで、王者スペインを相手に先制を許しながら、その後5点を奪い5-1の大勝。前回大会決勝のリベンジを見事に果たすとともに好スタートを切った。

この試合でキャプテンのロビン・ファン・ペルシーと並ぶ2ゴールを決めたのが、世界屈指の快速アタッカーとして知られるアリエン・ロッベン。彼が5点目を決めたときに見せたと報じられている時速37kmというスピードは、「フットボール界における世界最高速」ではないかと言われている。

そのロッベン、2004年にチェルシーへ移籍して以降のプレーはよく知られているが、それ以前のエールディヴィジ時代のプレーというのはあまり知られていない。そこで、オランダ代表の2戦目となるオーストラリア戦前のちょっとしたブレイクで、ロッベンがまだ国内でブイブイ言わせていた頃のプレーを振り返ってみたい。

2002年から2シーズン在籍したPSV時代、頭髪の雰囲気から若き日であることが容易にうかがえる、20歳前後のロッベン。そのプレーを現在と比べると、縦への強さばかりが印象に残る。

というのも、ロッベンと言えば左に持ち出してのプレーが現在ではよく知られているが、この頃の彼はまだ相手に正対してボールを持つことが少なく、プレーの角度があまりつけられていない。特に右サイドでのドリブルを見れば、アウトサイドでの持ち出し方などに少なからず違和感を覚えることだろう。プレーに選択肢を持たせられないため強引に仕かけてボールを失うことも多かった。

とはいえ、切れ込んでから放たれるニアサイドへの強烈なシュートは既に一級品。移籍したチェルシーではアイルランド代表のデイミアン・ダフと両翼を形成し(左ロッベン、右ダフ)、2度のリーグ優勝に貢献している。

チェルシー時代のプレー集。右サイドで起用される機会が増えた後期のプレーは現在に近い。

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