昨年はクリスティアーノ・ロナウドにその座を奪われてしまったが、2009年から2012年にかけて、4年連続のFIFAバロンドールを受賞するなど(※2009年は旧バロンドール)、現役最高の選手の一人であるリオネル・メッシ。バルセロナの中心選手として数々の偉業を残してきた彼だが、その“伝説"がいつ始まったのかと問われたとき、多くの人が一つのゴールを思い浮かべるに違いない。

それは7年前、2007年の4月18日に生まれた。

2006年、ブラジル代表のロナウジーニョとともにリーガとCLの二冠を達成したバルサ。しかし、フランク・ライカールト監督率いるチームの栄光は長く続かなかった。

リリアン・テュラムやジャンルカ・ザンブロッタ、エイドゥル・グジョンセンなどを獲得して臨んだ翌2006-07シーズン、チームはどこか歯車がかみ合わず、年末のクラブW杯決勝でインテルナシオナルに敗れると、CLでもベスト16でリヴァプールを相手に敗退を喫してしまう。結局このシーズン、無冠に終わったバルサだが、メッシは故障などもありながらレアル・マドリーとのクラシコでハットトリックを決めるなど印象的なプレーを見せていた。

そして、4月18日、ヘタフェとのコパ・デル・レイ準決勝1stレグで決めたのが、あのスーパーゴールである。

同じアルゼンチンの英雄、ディエゴ・マラドーナの伝説を現代に蘇らせたメッシ。

当時から「マラドーナとメッシの5人抜き、どちらがスゴイ?」というのはよく出る話題であるが、これらのプレーに関しては対戦相手やシチュエーションなどは関係ないだろう。マラドーナの5人抜きはおそらくマラドーナしかできないし、メッシの5人抜きも同様である。要するに、「どちらもスゴイ」としか言えないのだ。

話は戻り、クラシコでのハットトリックから「5人抜き」とを経て、メッシに対するバルセロニスタの期待値は当時既に陰りが見えていたロナウジーニョを逆転。そして翌シーズン、ロナウジーニョ、エトー、メッシにティエリ・アンリを加えた「ファンタスティック・フォー」が再び無冠に終わりライカールト監督は退任したことで、ロナウジーニョの時代は終わりを告げた。

2008年、ジョゼップ・グアルディオラ監督のもとロナウジーニョとデコが放出され、新たに背番号10を与えられたメッシとともにバルサは真の黄金時代へ入っていったのだった。

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