Sony Smart Eyeglass

ARという言葉をご存知だろうか?

ARとは「拡張現実(Augmented Reality)」のことをいい、近年のテクノロジー界隈をにぎわすキーワードとして今密かに注目を集めている。

イメージしやすいのは、アニメ『ドラゴンボール』でフリーザが使用していた「スカウター」だ。アニメの中でフリーザは、スカウターと呼ばれる半透明のグラスのようなもので、現実世界に存在するキャラクターの戦闘能力を読み取る。スマートフォン向けアプリ「セカイカメラ」をイメージしても良いかもしれない。

このように、ARとは「現実世界にそれを補うものを付加する」技術のことで、このテクノロジーが今、サッカー観戦およびサッカー中継にも取り入れられようとしているのだ。その注目の技術を駆使した新商品をご紹介しよう。

こちらは、今月ラスベガスで行われた世界最大の家電ショー「2014 International CES」において新発表されたSONYのメガネ型ディスプレイ「Sony Smart Eyeglass」である。

レンズの厚みは約1mm。現時点での重さは約40g。まるで本物のメガネと変わらないつくりであるが、AR技術が搭載されたスマートグラスだ。透過性も90%以上を保証しているそう。

では、このグラスの性能はどんなものなのだろうか?

なんと、このグラスをかけてスタジアムでサッカーの試合を見ると、レンズ上に選手情報や試合のスタッツをリアルタイムで表示させることができるというのだ。

サッカーはフィールドプレーヤーの20人がめまぐるしく動き回るスポーツである。そんなフレキシブルなスポーツでも、なんと20人の個人識別を行い、レンズを通して実際の選手に個人情報を表示させることができるというのは、これは革命的と呼ぶしか無い。まさに、「ドラゴンボール」でフリーザが体現していた世界である。

このグラスはSNS機能とも連動しているようで、視野上に試合と関連したSNS由来の情報を投影させることも可能であるという。情報化が進み、サッカーでもデータが頻繁に利用されてきている現在ではあるが、そんな楽しみ方も過去のものになる日が近いのかもしれない。

2013年シーズン、浦和レッズが「mobcast」と提携し、日本では初となる試合のスタッツをリアルタイムにスタジアムのオーロラビジョンに映し出す試みを始め話題となった。

埼玉スタジアム2002では前半終了時や試合終了時に、ボール支配率やトップスピードベスト3、また走行距離ベスト3が数値とともに表示され、サポーターは新たな体験を目の当たりにした。テクノロジーの世界は、やはり日進月歩なのである。

SONYの平井一夫社長は明確な販売日こそ明らかにしなかったが、2014年末から2015年頃の製品化を見込んでいると伝えられている。

今のハイビジョンの4倍の解像度をもつ「4K(スーパーハイビジョン)テレビ」の開発が進められているAV業界。この家電ショーでも4Kテレビのアピール合戦も繰り広げられたようで、半年後に迫ったW杯に向け各社がその魅力を訴求している。

W杯という大舞台を、テクノロジーの観点から紐解いてみるのもおもしろいかもしれない。

【厳選Qoly】東南アジア最強を決める三菱電機カップで日本出身選手が躍動!活躍する日本出身の5選手を紹介