12月26日、AFP通信は「2022年にワールドカップ開催を控えているカタールは、夏に大会を行う方針が変わっていないことを明らかにした」と報じた。
夏の気温が40度以上になることで知られるカタールについては、これまでUEFA会長のプラティニ氏などの重要な人物が「夏の中東でプレーは出来ない、冬に時期をずらすべき」と発言し、さらにFIFAのブラッター会長自身「失敗だった」と話すなど、論議が留まることを知らない。
カタールが企画している全スタジアムにエアコンを敷設する案については、実際に建設を担当する業者から「ランニングコストの面で非現実的」とのコメントが浮上するなど、混沌とした状態となっている。
しかし組織委員会の事務総長をつとめるハッサン・アル・タワディ氏は、要請を受ければ冬にずらせるが、夏に開催することは可能だ」と強調。またカタールで運動生理学を教えているフランス人教授のセバスティアン・ラシネー氏も「暑い環境でスポーツが出来ることは証明されている」と話した。
AFP
ハッサン・アル・タワディ ワールドカップ組織委員会事務総長
「我々は常に、夏にワールドカップを開催できると言ってきた。FIFAやサッカー界が冬に開催したいというのではあれば、喜んでそうしよう。しかし夏でいいということならば、私たちにはその準備が出来ている。
エアーコンディショニングシステムは、スタジアム、トレーニンググラウンドの両方に敷設される。空調施設をつけることはそれほど困難なことではない。難しいのは、可能な限りエネルギーの消費量を抑えることだ。我々は日光の状態について考えている。キックオフの時間などね」
AFP
セバスティアン・ラシネー 運動生理学者
「過酷な天候の中でもスポーツが可能であることを示す多くの例がある。我々は2008年のオリンピックが開催された北京の気温、そして湿度について話した。三時間以内でマラソンを走ることは出来ないだろうと言われたが、ワンジルによって2時間6分32秒という五輪記録が生まれた。
暑い環境の中で練習することにより、気温に適合しなければならなくなる。人によってそのスピードは違うが、平均的には10日から2週間の間となるだろう。
普通の環境で行われた試合と、暑い環境で行われた試合、それを比較しても、披露に対しての回復期間は同じである。すなわち24~48時間だ。
従って、チームは回復ルーチンを適応させる必要があるとはいえ、通常通りのスケジュールで試合を進行することが出来るはずだ。
そして、暑い環境ではパスがよく回る。選手が走れなくなれば、理論上プレッシャーはより減少するのだからね」