激戦前の聖なる夜。 

聖なる夜を皆さんいかがお過ごしでしょうか?テーブルに並べられた豪華なディナーを家族や恋人と囲み、ケーキとプレゼントを頂いてるという方も少なくはないはずだ。逆に1人で寂しいながらもお祝いをしている方もいるはずだ。いずれにしてもクリスマスは年の瀬前の小休止といったところだろう。

さて、イングランド・プレミアリーグもそんなことでクリスマスの2日間は小休止だ。そこで今回はプレミアリーグのここまでを少しばかり振り返り、今後の展望を少し語りたいと思う。

今年のプレミアリーグは例年以上に勝負が激化している。1位から7位までが勝ち点差6ポイントという差が極めて少ない状況でリーグタイトルを虎視眈々と狙っているのだから恐ろしい。そんなリーグテーブルをあえてクリスマスツリーに表現した時、現在もっとも優勝に近いポジションであり、クリスマスツリーの一番上で堂々と光り輝く星の役割を担うのはリヴァプールである。

今シーズンのリヴァプールは今いるポールポジションに恥じない勝負強さと爆発力を兼ねている。こんなにコップスタンドが活気に溢れているクリスマスは何年振りだろうか。ブレンダン・ロジャーズ体制2年目。アメリカ人でMLB球団も持つジョン・ヘンリーの惜しみない援護射撃も手伝ってチームは開幕前の「CL圏内」という目標以上の位置を開幕からキープしている。

そんなリヴァプールの爆発の一端を担っているのはルイス・スアレスに他ならない。シーズン前、一時はチームからの移籍をほのめかし、メディア、そして味方すら慌てさせた男は、昨シーズンの“噛みつき事件”によるFAからの10試合の出場停止処分により6試合遅れてスタートしたにもかかわらずここまで12試合19ゴールという驚異的数字を叩きだし、チームの出来を決める存在となっている。このウルグアイ人が後半戦も引き続き、得点数を叩きだせるのであれば1992年のプレミアリーグ移行後は初となるリーグタイトルは見えてくるはずである。

そんなリヴァプールが最高のクリスマスを迎える中でそれをツリーの影から見つめるのは3位に位置するマンチェスター・シティだろう。

開幕前からリヴァプール同様の積極補強でアルバロ・ネグレド、へスス・ナバスといった戦力補強と新指揮官マヌエル・ペジェグリーニの下でプレミア版銀河系軍団は、再起を図ってのスタートをした。序盤戦こそ怪我人の増加で戦力が固まらず足元がふらついたものの、怪我人も復帰し徐々に戦力が固定され安定した戦いを披露。リーグトップの51得点は調子の良さと安定した戦いぶりの賜物と言えるだろう。

キャプテンのコンパニが依然として怪我がちであることと、エースのセルヒオ・アグエロが離脱しているという点で多少の不安要素はあるものの、優勝戦線に最後まで絡むチームであることは間違いないと私は考える。

「激戦だ!!」とは言うものの最後まで優勝戦線を盛り上げるのは結局のところ3、4クラブに絞られていくだろう。そんな中で優勝戦線に最後まで食らいつく可能性を見せるのはロンドンの2強。アーセナルとチェルシーの2クラブだ。

つい先日の23日に行われたビックロンドンダービーは引き分けという結果に終わり、両者ともにポイント1づつを分け合った。その結果としてアーセナルは1位の座をリヴァプールに譲り、一方のチェルシーはポジションをキープ。ロンドンの2クラブは異なった心境でクリスマスを迎えた。

アーセナルは序盤から首位に立ち続けていたものの、ここにきてその波が止まったように思える。序盤戦を支えたのはアーロン・ラムジーとオリヴィエ・ジルーの2人が安定して得点を挙げていたからである。ここ数試合はその勢いと安定した得点力は見られない。しかしながら好順位が予想されることのなかった中で2位につけているのは立派な事実であり、もっと言えばリヴァプールとはポイント数で並んだ上での2位なのである。

一方、堅守でもってアウェイでのダービーマッチでポイントを持ち帰ることに成功したチェルシー。6年ぶりのモウリーニョ復帰という大きな話題性を呼んだ中でスタートさせると好スタートとは言い難いものの着実にポイントを稼ぎ、上位戦線へ絡んでいる。

アーセナルとチェルシーのロンドン2大クラブが今後リーグ戦でカギを握ることは絶対である。ということを考えると、23日のダービーが引き分けで終わったことが後に尾を引く可能性も十分ありうる。

ここまで長々と語ってきたが、クリスマスを終えるとプレミアリーグは26日のボクシングデーから怒涛のような連戦が待ち受けている。プレミアリーグファンにとっては毎年の恒例行事であり、眠れぬ日の続く時であろう。今年は26日のボクシングデーから29日まで試合があり、新年は1日からという激しい日々が続く。この激しい師走を乗り切ったチームが優勝へ一歩、歩みを進めると私は考えている。


筆者名:羽澄凜太郎

プロフィール:現在ロンドン留学中。1993年1月25日生まれ。東京都多摩市出身。小学生の時は野球少年であったが小学6年の時に生で見たレアル・マドリーの面々に感動し、本格的にサッカーを好きになる。

中学卒業頃からライターを志すようになり、高校卒業後、専門学校東京スクールオブビジネスに入学。そこでマスコミやライター、編集などのノウハウを2年間学ぶ。


ツイッター:@randyrin

【厳選Qoly】なぜ?日本代表、2024年に一度も呼ばれなかった5名

ラッシュフォードの私服がやばい