サッカーを愛する人なら誰しも一度は耳にしたことがあるであろう競技、セパタクロー。
サッカーより遥かに小さなコートで行われるその競技だが、そこで紡ぎ出される技はまさにスペクタクル。サッカーではなかなか見ることのできないバイシクルキックだって、セパタクローではごく当たり前のプレーになってしまう。
今日ではフットサルの競技人口が爆発的に増え、日本代表の活躍もありビーチサッカーにも注目が集まり始めているが、セパタクローの認知度は未だに低い。
今夜は、この気になりつつもなかなか知る機会のなかった競技セパタクローについて簡単にまとめてみることにしよう。
セパタクローとは、ネットとボールを用いた競技であり、「足のバレーボール」とも呼ばれるスポーツだ。
この競技の起源は東南アジア。「セパタクロー(sepak takraw)」とは、マレー語で「蹴る」を意味する「sepak」と、タイ語で「ボール」を意味する「takraw」を組み合わせた合成語だ。競技のルーツはなんと9世紀のことだという。
セパタクローの基本的なルールは、ご想像通りである。
バレーボールのように味方選手でボールを空中で繋ぎ、相手コートへとアタックを決める。基本的にはその解釈で問題ない。
しかし、異なる点もある。まずは、使用するボールである。セパタクローは漢字にすると「籘球(とうきゅう)」となるように、以前では植物の籘(ふじ)を編んで作られたボールが用いられていた。現在では、12の穴と20の交点を持つように編まれたプラスチック製のものがボールとして使われている。ちなみに、男性用と女性用では大きさや重さが違う。
サッカー同様、腕や手は使ってはいけない。また、バレーボールとは異なり、1人で続けて3回までならタッチできるようだ。
実際に、サーブの様子を見てみよう。
まるでイブラヒモヴィッチのような足の使い方である。セパタクローのサーブでは、味方選手からのトスをそのまま蹴り込むようで、そのサーブからゲームはスタートされる。トスを行う選手、またサーブを行う選手にはそれぞれアークが指定されており、正確なボールコントロールが求められる。
では、実際にゲームの様子を見てみよう。
こちらは国際親善試合日本代表対タイ代表の模様。ご覧の通り、アタックのほとんどがバイシクルキックであり、テンポも早くよりスペクタクルであることが分かる。
また、必ずしもバイシクルキックで強烈なアタックを決めるわけではなく、相手のブロックを欺くように逆足でループ気味のボールも蹴っている。普段サッカーと深く接している人にとって見れば、どこかカルチャーショックを受けてしまいそうなアクロバティックさである。
セパタクローでは、やはり強烈なバイシクルキックが大きな武器となってきそう。ここまで見事な弧は、『キャプテン翼』でしか見たことがない。
こんなビックリ仰天なトレーニング方法も。
セパタクローはやはりタイなどの東南アジア諸国で盛んなようで、アジア大会では種目別で18度の優勝経験がある。日本は銅メダルを6度獲得したことがあるが、アジアでの優勝経験はない。
一般社団法人『日本セパタクロー協会』によると12月21日(土)と22日(日)、東京都にある駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で「第24回全日本セパタクロー選手権大会」が行われる予定。観戦は無料ということもあり、是非一度足を運んでいただきたい。
最後に、セパタクロー日本代表の山田昌寛選手がYoutube上で公開している日本代表の試合動画をどうぞ。
【リンク】セパタクロー日本代表 山田昌寛選手 公式ブログ『PEP YOU UP!!』