今週、にわかには信じられないニュースが飛び込んできた。チェルシーFWサミュエル・エトーの私生活についてだ。

この夏32歳にしてキャリア初のプレミアリーグ挑戦を決意したカメルーン代表ストライカーは、前所属のアンジで、あのリオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドをも上回る世界最高額の年俸1700万ポンド(約26億7000万円)を稼いでいた。その潤沢な資金を活かして、ブガッティ、アストンマーチン、マイバッハなど総額400万ポンド(約6億2700万円)にも達する高級車コレクションを満喫。

と、ここまではよくある話だろう。

衝撃はここからだ。実はこの男、「超」が付くほどの携帯電話オタクらしい。その所有台数を聞いてビックリ。なんと“400台”ものコレクションがあるのだという。

イギリス大衆紙『The Sun』に、彼の側近とされる人物が証言を寄せている。

「サミュエルは携帯電話が大好きで、これまでにただの一度だって捨てたことがない。うち14台は現在も稼動中で、それぞれ異なる番号を持ち、複数の国で使用している」

振り返れば、2012年1月には自ら携帯電話会社を設立して話題になったことがある。どうやら彼の携帯電話に対する思い入れは、常識的には考えられないレベルのようだ。同紙の「稼働中の携帯が14台もあったら電話に出るだけで悪夢」というジョークにも、ついつい頷いてしまった。

さて、そのエトーの本業についてだが、チェルシーに移籍してからここまで5試合に出場するも、いまだノーゴールため外野の騒がしさが増している。モウリーニョ監督は「適応する時間を与える必要がある」と主張するが、批判家は口を閉じようとしない。それもこれもかつてのイメージが脳裏に焼き付いているからだろう。

【マジョルカ時代】

165試合69ゴール

コパ・デル・レイ制覇1回

【バルセロナ時代】

201試合129ゴール

チャンピオンズリーグ制覇2回

リーガ制覇3回

コパ・デル・レイ制覇1回

スーペルコパ制覇2回

【インテル時代】

101試合53ゴール

チャンピオンズリーグ制覇1回

セリエA制覇1回

コッパ・イタリア制覇2回

スーペルコッパ制覇1回

クラブワールドカップ制覇1回

【アンジ時代】

71試合36ゴール

【エトーのスーパーゴール集】

批判家が口を揃えて指摘するのは「衰え」だが、これほどの選手がそう簡単に衰退してしまうだろうか。いや、エトーは今後も必ず話題を呼ぶ。次は携帯電話コレクターとしてではなく、「ゴールコレクター」、そして「タイトルコレクター」として。その日が来るまで、彼を信じて応援し続けたい。

エトーほどの男が本業ではなくサイドストーリーで話題になるのは、まだ早い。


著者名:小松輝仁

プロフィール:長野県在住のサラリーマン。中学時代にチェルシーに魅せられ、サッカーの「観る楽しさ」に気付く。その魅力を広く伝えるため一度はサッカーメディアに拾ってもらうも、途中で無謀な夢を抱いて退社。現在はその夢を叶えるために修行中。

ツイッター: @blue_flag_fly

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