23日、リーガエスパニョーラ第5節が行われ、レアル・マドリーがヘタフェを相手に4-1と白星をあげた。

試合は開始早々、ヘタフェの先制点で動く。しかしマドリーの直後にぺぺが同点弾を沈めると、33分にはロナウドがPKで逆転に成功。後半にも2点を加え、同じマドリードを本拠地にするヘタフェとの“プチ”マドリードダービーを制した。

ミッドウィークに行われたガラタサライとのUCLを6-1で制した直後に行われたこの試合、キックオフの直前に心温まるエピソードが。

マドリーのユースチームで育ち、現在はレアル・ソシエダに籍を置くエステバン・グラネロが先週のUCLシャフタール・ドネツク戦で前十字靱帯断裂の大怪我を負い、およそ6ヶ月の負傷離脱の診断結果を受けたことを知ったマドリーのイレブンはこんなシャツを着てピッチに登場。

こちらのシャツには「Ánimo Pirata」と記されており、これは日本語に訳すと「頑張れ、ピラータ(グラネロの愛称)」となる。

グラネロは昨シーズン、マドリーからQPRへと完全移籍。現在はソシエダへとローン移籍中でありマドリーとは一切帰属の関係にないが、かつてのチームメイトを勇気づけようと企んだ感動的なメッセージなのであった。

ちなみにこのメッセージを見たグラネロは自身のTwitterで感謝の想いを綴っている。

レアル・マドリーからの贈り物に感動したよ。

会長、クラブ、選手のみんな、そして家族であるマドリディスタの皆さん、ありがとう。

レアル・マドリーは以前、バルセロナのエリック・アビダルに肝腫瘍が見つかった際、「Ánimo Abidal(頑張れ、アビダル)」のシャツを着用したことでも知られている。

また、アビダルの肝腫瘍が再発し、元ボルトン所属のファブリス・ムアンバが試合中に心肺停止になった際、「Ánimo Abidal(頑張れ、アビダル)」と「GET WELL SOON MUAMBA(ムアンバが早く良くなりますように)」と記されたシャツを着用してピッチに登場したこともあった。

ピッチは戦う場所である。キックオフのホイッスルが吹かれれば、選手はチームのためだけに全力を尽くす。しかし、そういった試合の直前であっても、チームの垣根を超えて困難を迎えている選手にエールを送るというのは、プロとして尊敬すべき行動だと言えるだろう。

FIFAから「20世紀最高のクラブ」と評されたレアル・マドリー。彼らのメンタリティにリスペクトしつつ、グラネロの回復を日本からも心待ちにしたい。¡Ánimo Pirata!

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