前回のトッテナム編に引き続き、今回はジョゼ・モウリーニョの帰ってきたチェルシー編をご紹介!


エリャキン・マンガラ (ポルト)

規格外と評されるエリャキン・マンガラはジョゼ・モウリーニョ監督のトップターゲットであるとしばしば報じられていた。特にダヴィド・ルイスがバルセロナへ移籍するかもしれないと噂されていた為、この若きDFがその後継者になると数多く報じられていた。また、クラブの重鎮であるジョン・テリーには衰えが見え始めており、若く優秀なセンターバックを獲得する事がチェルシーにとって重要であった。

マンガラの移籍金は噂通り4000万ポンドの売却条項であれば非常に高価であったのは言うまでもない。まだトップレベルでの活躍がない選手に4000万ポンドという大金を投下できるのは世界でもオイルマネーによって大きな野望を抱いているPSGやモナコくらいだろう。もちろんこの若きフランス代表はこれからどんどん成長し魅力的な選手になるはずだ。チェルシーは近い将来争奪戦に巻き込まれる事になりそうだ。

ダニエレ・デ・ロッシ (ローマ)

ナイジェリア代表MFジョン・オビ・ミケルを放出する方向で動いていただけに、モウリーニョが新しい守備的MFを獲得する事が上位課題としていたことは言うまでもないだろう。ミケルは4バックの前の防壁としては良い選手であるが、推進力という点で彼の能力は限られており、ブルースの指揮官がオールラウンダーを求めることになったといえるだろう。デ・ロッシはモウリーニョのメインターゲットの1人であったと思われる。

デ・ロッシはキャリアの全てをローマにささげてきたが、しばしばクラブから離れるという噂が流れていた。この夏、イタリア代表MFはマンチェスター・ユナイテッドからも獲得を求められており、昨年の夏や1月のマーケットではマンチェスター・シティが獲得を求めた。プレミアリーグにとてもマッチすると考えられている選手である。チェルシーは彼の中盤を埋め尽くすようなエネルギーと時折見せる前へと進む力に確かな価値を見出していた。将来の移籍はありえないかもしれない。恐らくガラタサライへのミケルの移籍が破談に終わった事はこの移籍が実現することができなかった事を意味するだろう。

サミ・ケディラ (レアル・マドリー)

チェルシーの中盤を改善するもう一人の候補はモウリーニョがレアル・マドリー時代に指揮してよく知っているドイツ代表MFサミ・ケディラだ。26歳のMFはこの夏サンチャゴ・ベルナベウを離れそうであった。チェルシーだけではなくPSGやマンチェスター・ユナイテッドも関心を示しており、恐らくスタンフォード・ブリッジでモウリーニョと共に働く事を歓迎していたであろう。

デ・ロッシ同様にケディラは守備的なMFであるが、同時にボックストゥボックスでも機能するセントラルMFでもある。昨季のレアル・マドリーでは4ゴール、5アシストを記録している。最終的に何故彼のチェルシー移籍が実現しなかったかはわからないが、現在の彼はサンチャゴ・ベルナベウに残留できて幸せであると語っている。

ウェイン・ルーニー (イングランド)

チェルシーがウェイン・ルーニーの獲得を求めている事は秘密ではなかった。彼らはイングランド代表が移籍を志願したと判明するとすぐに強い関心を示していた。ルーニーは昨季何度か試合から外されており、それが原因となってキャリアを見つめ直す事を望んでいた。そしてそのファーストチョイスとして有力だったのがスタンフォード・ブリッジであったのは間違いない。チェルシーはフェルナンド・トーレスとデンバ・バという不発のストライカーを抱えており、強くルーニーを欲していた。

マンチェスター・ユナイテッドはプレミアリーグのライバルにエースを売り渡す事を断固拒否していたが、チェルシーは公式な獲得希望をユナイテッドへと送ったが、最終的にはルーニーが残留を表明する形で夏の移籍市場における最大の騒動は幕を閉じた。チェルシーはカメルーンのストライカー、サミュエル・エトーを獲得する事にしたが、エトーは彼の年代で最高のストライカーだが既にピークにはない。ルーニーを獲得できていれば、チェルシーは長い間フォワードに困る事は無かっただろう。

ラダメル・ファルカオ (モナコ)

ルーニーよりも良いオプションはラダメル・ファルカオだったかもしれない。アトレティコ・マドリーから売却に出された時、チェルシーは2度獲得に向かっている。1度目は欧州の列強が獲得に動いていたモナコ移籍が決まる前、そしてもう一度はモナコで税金が上がるという噂が流れた時だ。

残念な事にチェルシーは現時点で最高のストライカーの1人の獲得を実現させる事ができなかった。チェルシーの前線の課題は優れたフィニッシャーの獲得だっただけに、彼を獲得できていれば完璧な解決策となっていただろう。チェルシーが5000万ポンド以上の彼の移籍金が高いと感じていたとすればそれは過去の事情を振り返らざるを得ない。かつてチェルシーはワールドクラスのストライカーの為に大金を投じた過去があるからだ。

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