今週韓国のサッカー界で大きな話題となったのは、城南一和天馬の動きである。
城南一和は韓国最大の新興宗教である統一教会を運営母体としていたことで知られている。しかし、昨年サッカー関連事業を積極的に進めていた統一教会のムン・ソンミョン(文鮮明)総統が死去。
これを切っ掛けに教団は事業を急速に縮小させ、欧州のビッグチームを迎えて行われてきたピースカップが開催中止となり、さらに女子サッカークラブも解散に。スポーツソウル紙の記事によれば、教団はこれらの事業によって毎年100億ウォン以上の赤字を計上していたという。
今年3月には城南市が買収し市民クラブとなる計画が発表されていたが、24日にパク・ギュナム社長が会見に臨み、その話が先月破棄されたことが明かされた。そして同時に、現在は安山市と買収に向けた交渉を行っていることを認めた。
朝鮮日報
パク・ギュナム 城南一和天馬社長
「城南市が市民クラブを作ろうという考えはあったが、先月その交渉は終わり、今は安山市と交渉を始めた状況である。こんな展開になり、心苦しい。チーム解散という結論は避けたい。安山市との接触はあるが実務者同士の会談もまだである」
安山市は、現在城南一和の監督を務めているアン・イクス氏の故郷。その関係もあって接触に成功したとのことだが、社長によればまだ交渉は始まったばかり。スポーツソウル紙は25日の記事で金銭面でもかなり難しいのではないかと記している。
もちろん、城南市が再びクラブの維持に動くか、安山市への移転がまとまるか、あるいはそのほかに存続できる方法が見つからない限りは、クラブの解散という最悪の結末に至る可能性もある。
スポーツソウル
「安山市が城南一和を買収する場合、最大の難関は年間30億ウォン程度の資金を長期的に提供してくれるメインスポンサーの確保だ。市民クラブ運営におよそ100億ウォンが必要だと仮定すると、安山市が40億ウォン、地元中小企業がサブスポンサーとして30億ウォンを提供する形が有力。
問題は残りの30億ウォンを支出できるメインスポンサーを見つけ出すことだが、これは容易ではない。年々、企業はお金を簡単には出さなくなっているのが現実である。
サッカー界が城南一和再生のために総力戦を挑めば、あるいは答えが出るかも知れない。韓国プロサッカー連盟も、今回の事態がKリーグブランドの維持に関わるものと認識し、スポンサー探しに動いていることが分かっている」