まもなく、レアル・マドリーとの記念試合に挑むアル・サッドのラウール・ゴンサレス。
これまで数々のタイトルをレアル・マドリーにもたらしたクラブの伝説的選手は、一体何を思い、この印象的な一戦に臨むのだろうか。マドリーを退団して3年。ラウールが記者会見でマドリーへの想いを語った。
ラウール・ゴンサレス(アル・サッド)
―まもなく記念試合ですが、どのような心境ですか?
「そうだね、奇妙な感じというよりは、ちょっと特別な感じかな。心が揺さぶられる試合になるだろう。
私はこのベルナベウに、マドリーのレベルにはまだ追いついていないアル・サッドというチームの一員としてやって来た。しかしそれでも、これまで何年も着続けたマドリーのユニフォームを着れることをとても心待ちにしている(ラウールはこの試合、45分ずつ両チームでプレーする)。
3年前、私はマドリーに別れを告げたわけだが、お別れを言いたかったすべての人にそれを告げることができたわけではない。明日はスペシャルな1日となるだろう。チケットがすでに完売したということに胸を打たれたし、私の行先々でファンが出待ちをしていてくれたことにも感動した。マドリーは僕に全てのものを与えてくれた。お祭りのようになるだろうし、感動的だね。
私は自分の故郷とも呼べる場所に帰ってくることができ、そして旧友に再会することができ、私は本当に幸せものだ。素敵な試合になってくれることを祈っているし、アル・サッドのみんなも試合を今から楽しみにしているよ。でも、一番大切なことは、みんなが試合を楽しむことだね」
―再び練習場を訪れて、いかがでしたか?
「バルデベバス(レアル・マドリーの練習場)に行ったよ。新しい選手寮を見た時には感動したなぁ。僕がいた頃に建ててほしかったよね(笑)新施設の建設は、マドリーが前進しているという印象を与えるだろう。再びここで練習ができ、ご飯を食べ、休息もとれて良かった。サッカーに没入できる環境だね」
―レアル・マドリーを離れた3年間は、あなたにとって何を意味しましたか?
「別れや出発というものは、我々をより豊かなものへと昇華してくれる。ドイツでは、ここマドリーではできなかった『走る』ということにこだわったし、カタールでは『トランジション(切り替え)』と『学習』ということに焦点を置いているよ」
―レアル・マドリーを去ろうと決断した理由を教えて下さい。
「マドリーでの私の時間は終わった―。そう思ったことが、決断を下した理由かな。
でも、新たな国に挑戦するという高揚が、そういった今まで味わったことのない恐怖を完全に打ち砕いてくれたんだ。シャルケからのオファーが、自分のサッカーができる喜びを教えてくれたし、私をより自由にしてくれた。自分のサッカーに集中することができたんだよ。
マドリーは確かにビッグクラブだ。だけど、日に日に事態は難しいものいなってしまったんだ」
―3年前のあなたと今のあなた、もし違いがあるとしたらどんなところでしょうか?
「白髪は増えちゃったし、年齢も3つ重ねたし、子供たちも随分と大きくなったね(笑)
けれ私は、サッカーがプレーできるということに未だに興奮しているんだ。現役を続けるという決断は、これまで下した決断の中でも最も尊重できるものなんだ。何しろ、今とても元気だからね。けれど、10ヶ月後にどうなっているかは分からないけどね」
レアル・マドリーとアル・サッドの記念試合、『ベルナベウ・トロフィー2013』は、このあと日本時間8月23日(金)午前5:30にキックオフされる予定だ。