改めて言うまでもないが、新監督体制となるのは1986年の秋以来となる。待ち遠しかったシーズンの開幕と共に、改めて偉大なるサー・アレックス・ファーガソンの存在を思い返さずにはいられなかった。

【シェイプアップ・フィル・ダウド】

コミュニティ・シールドを制したが、本命はあくまでプレミア・リーグタイトルである。来年の5月までは続く長い戦いがウェールズの地で幕を開けた。 コミュニティ・シールドには出場せず、代表戦に先発した渦中のルーニーはベンチ入り。スターティングイレブンはデ・ヘア、ジョーンズ、ファーディナンド、ヴィディッチ、エブラ、バレンシア、キャリック、クレヴァリー、ギグス、ファン・ペルシー、ウェルベック、の伝統的な4−4−2の形で始まった。

試合に入る前に、プレシーズンから話題に上がっていたが、いまいちなレフリングで有名なフィル・ダウドが見事にシェイプアップしてスリムになっている。Fワードを吐きたくなるようなレフリングがゼロになるとは考えにくいが、痩せた分、走りきって的確なポジショニングからいいレフリングを期待したいものだ。

【ビルドアップがうまくいかない】

さて、肝心の試合だが、前から追いかけるスワンズに対して、ユナイテッドはなかなかビルドアップがスムーズにいかない。ボールを持ち出し入れするスワンズに対して、ユナイテッドはどこから奪いに行くかが明確ではなく、連動感に欠ける守備は昨シーズンのままである。攻守にいまいちなユナイテッドに対して、スワンズはボールを保持しながら崩しにかかる回数を増やしていく。ボールが前線納まらないユナイテッド、ウェルベックが時折下がってボールを受けるのだが、効果的なタメと展開ができず、焦れる時間帯が続く。特にクレヴァリーとキャリックがボールを持った時に、縦と横のサポートがあまり無く、選手間の距離が遠くパスコースも無いために、ボールを動かすにも効果的でないパスが後ろへ増えていった。しかし、マンチェスター・ユナイテッドはマンチェスター・ユナイテッドである。34分に一瞬フリーになったファン・ペルシーの動きを見逃さなかったギグスが高めのループパスをゴール前へ。トラップから高めにバウンドしたボールを右足で叩きこみ見事先制。さらにその2分後、エブラのクロスからこぼれたところをファーのバレンシアが折り返し、ウェルベックが押し込んで一気に追加点。ゴールさえ奪えば問題ない、と言わんばかりだった。

【渦中の人物ピッチへ】

後半、スワンズはパブロ・エルナンデスと注目の新戦力、ウィルフリード・ボニーを頭から投入。この二人が要所に絡み、スコアを感じさせない内容でスワンズペースが続く。ミチュの惜しいシュートやボニーへのクロスなど、左右中央からボールをゴール前へと供給していく。私は初見だったのだが、敵チームながらボニーの存在感はかなりのもので、チームにフィットすればスワンズのスコアリーダーになるだろう、という予感を抱かせた。みなさんはどのような印象を抱いただろうか。

スワンズペースで60分を過ぎたころに渦中の植mルーニーがピッチへ。見る限り、オフシーズンとは異なり、開幕に合わせて頭皮のコンディションはしっかり整っているように見える。ギグスが下がり、ウェルベックが左へ。と言っても前線はバレンシア以外フレキシブルにポジショニングしていた。 ルーニーが入ることでビルドアップが若干改善され、ボールが縦にも動くようになっていった。昨シーズンのいい時と同じ形だ。お互いにフレキシブルに動けるため、前線に厚みと幅が出る。明らかに前半とは違った形で攻め込んでいる。

それが明確な形で出たのが72分の3点目。ルーニーが楔のパスをファン・ペルシーに出し、パス&ゴーで相手を引き付けながら前線へ走り込む。ウェルベックも左に構えていたが、この時スワンズのディフェンスの枚数のほうが多かった。しかし世界最高レベルの万能CFが揃えば、そんなことはお構いなく、ファン・ペルシーが個人技で相手を交わし、左足を振りぬいてネットが揺れた。 その後、試合をほぼ決めたかに見えたが、ウェルベックがゴール前で軽率なボールロスト、82分、ボニーにプレミア初ゴールをプレゼントしてしまう。

86分にファン・ペルシーを下げ、アンデルソンを投入。アディショナルタイムにルーニーのスルーパスからウェルベックが難しい角度のループシュートでサイドネットを揺らして4点目。先ほどのミスをかき消すかのようだった。 内容が悪くても結果だ、というマンチェスター・ユナイテッドらしさを発揮して、デイヴィッド・モイーズ政権の船出を白星で飾った。

さあ、今年も時差と睡魔との戦いが始まった。マンチェスター・ユナイテッドを愛する皆さんと共に勝利に酔いしれることを願って、今年もコラムを書かせて頂きます。

フェライニ来ないかなぁ・・・


筆者名:db7
プロフィール:親をも唖然とさせるManchester United狂いで川崎フロンターレも応援中。
ホームページ:http://blogs.yahoo.co.jp/db7crf430mu
ツイッター:@db7crsh01

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