8月12日、ペルシアンリーグ・ドットコムは「公式キットを批判したアリ・ダエイ監督とアミル・ガレノエイ監督に対し、ウールシュポルトの代理店を務めるロマリオ・スポーツが裁判所に訴状を提出する」と報じた。

この騒動の原因は8日に遡る。現在ペルセポリスの監督を務めているアリ・ダエイ氏は、マスメディアに対して今季イランリーグの公式キットを提供しているウールシュポルトを批判。また、エステグラルのキーパーを務めるイラン代表選手マフディ・ラハマティもそれに追従し、11日にキットの品質が低いと発言した。

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アリ・ダエイ ペルセポリス監督

「多くの選手がこのボールの性能に不満を持っている。これは2007年に製造されたものだ。教えて欲しいものだね、ワールドカップにたどり着いた国の中で、どこが2007年に作られたボールを使用しているというのか?

これらはウールシュポルトの倉庫で6年眠っていた。思うに、一個2~3ドルで購入されたんじゃないか」

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マフディ・ラハマティ

「ウールシュポルトのキットは1ペニーの価値すらないね。これらは3年前からのもので、品質も非常に低い。公式スポンサーだからそれを身につけることを余儀なくされている。

また、ボールの方も役に立たないね。これは絶えず足と手に引っかかる。そして赤みを帯びたカラーリングは、雪では役に立つだろうが、ここの環境には適していない」

しかし西アジアでウールシュポルトの代理店を務めているロマリオ・スポーツのCEOであるヴァヒド・ジャファリ氏は、それを会見で否定。12日には裁判に訴えることも明かした。

なお、アリ・ダエイ氏はマジド・スポーツというスポーツウェアメーカーを経営していることで有名。追従したラハマティ選手やアミル・ガレノエイ監督もその熱心な支持者であると報じられており、ビジネス面での駆け引きがあるのではないかとも言われている。

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ヴァヒド・ジャファリ ロマリオ・スポーツCEO

「残念なことに、表明された問題は誤った情報に基づいたものだ。

私がドイツでウールシュポルトの本部を訪れたとき、彼らはイラン、北朝鮮へとキットを提供することがヨーロッパで悪い印象を与えるのではないかと伝えてきた。しかし、私は強固にイランと北朝鮮を比較しないで欲しいと訴えてきたんだ。イランは2500年もの歴史を持っており、世界の大きな文化の一つを形成したんだよ。

自分は一種の大使だと思っている。そしてイランと仕事をしてくれるよう説得してきたんだ。ウールシュポルトのマネージャーもイランと仕事が出来ることに満足してくれていた。

しかし、今となっては手を引く準備も出来ている。そして、アディダスとナイキがより良いキットを提供できることも理解できる。

しかし、アディダスとナイキがFIFAを懐柔しており、彼らがまるでマフィアのように仕事を囲い込んでいることを知っているか? そして彼らはイランとは仕事をしない。ウールシュポルトはイランサッカー連盟に4500個ものボールを無料で提供しているんだ。ナイキとアディダスは、3000でもタダで提供する準備があるのかね?

もし我々がボールを供給しなければどうなる? 昨年のように各チーム、各試合で自らボールを購入するのか? 昨年はモルテンも、アディダスも、ナイキも見たが、ウールシュポルトもあったはずだ。

しかし今はそれがウールシュポルトに統一された。そしてこのボールに問題や欠点は現れていない。FIFAの承認だって受けている。ダエイ氏が求めるならば、専門の適性検査にかけてもいい。アディダスやナイキのボールと比較する準備は出来ている。もし我々の方が優れていなくても、差はそれほど大きくないことは断言できる。

ダエイ氏の『ボールは2007年に製造された』という発言は誤りだ。その年にFIFAに登録されただけで、実際は過去45日以内に製造されている。ナイキやアディダスと同じく、パキスタンで製造され、イランに直接送られている。

プロリーグのコーチがこの誤った情報を元に何らかの要求をするならば、それはアリ・ダエイ氏が私の背後にあるビジネス的なものを左右しようという動機を持っていることを示す。

他の国からは何の苦情もなかった。これらのボールはオーストラリアやフランス2部で使われており、高い評価を得ている。

ナイキのボールはAFCのコンペティションで使われたが、いくつかの問題が出ている。アディダスのジャブラニ(2010年ワールドカップで使用されたもの。軌道が不安定だと批判を受けた)の例も記憶に新しい。ACLでは、トラクトル・サジの試合でナイキのボールが弾んだ際に形状がゆがみ、楕円になったんだよ。

重ねて言うが、我々は検査にかける準備が出来ている。ボールの品質には完全なる自信がある」

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