7月31日、AFP通信は末期がんの闘病中であるブルーノ・メツ監督のインタビューを行った。

2002年ワールドカップでセネガル代表を率い、開幕戦でフランスを破ったことで有名になったブルーノ・メツ監督。2011年のアジアカップではカタール代表監督として日本の前に立ちはだかり、激闘を演じた。

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彼は昨年UAE1部のアル・ワスルの監督に就任したものの、2012年10月に腹痛を訴え入院。検査を受けたところすでに大腸、肝臓、肺に癌が転移している深刻な状況が明らかとなり、監督を辞任し闘病生活に入った。メツ氏はこの時点で余命は三ヶ月と宣告されていたと明かしている。

しかし、それから九ヶ月が経ち、状況は徐々に改善されているという。17キロもの体重を失っていたが、ここ数週間で2キロ回復することに成功したとのこと。

AFP

ブルーノ・メツ

「医者は私に『余命は三ヶ月だ』と言ったんだ。

それは非常にショックな言葉だった。妻と私は病院から出た後、涙が止まらなかった。子供や家族、友人のことを考えるとね。

すぐに入院し、化学療法を開始した。車椅子に頼らざるを得なくなり、体はとても弱ってしまった。しかし、諦めるという選択肢は考えたこともなかった。

私は監督として、選手に『今日の試合は、君たちの人生を賭けた戦いだ!』と言ってきた。しかし、それは違ったね。今、私はまさに“人生を賭けた試合”をプレーしているんだから。

まあ、とにかく私の言葉を伝えたかったんだ。エリック・アビダルの復活を見て、その強さに感銘を受けたからね。あれはとても衝撃的だった。

例え三ヶ月しか与えられなかったとしても、戦い続けなければならない。自分に突きつけろ。『三ヶ月で行くな。自分に勝て。例え簡単じゃなくても』と。

私はといえば、二月に肺炎にかかってしまって、10日間生死の境を彷徨っていた。これまで経験した中で、最も厳しい戦いだったよ。

9割の人間が燃え尽きるような状況だった。でも、私は誰よりも強い生への欲望を持っていたんだよ。

闘病生活の中で、自分自身、そして家族の価値について多くのことを学んだよ。今、私は子供たちの成長を見守ることが出来ている。

あの余命宣告を受けた日から、もう九ヶ月も幸福な時間を過ごせている。フットボールよりも、これはさらに素晴らしいものだ。このような挑戦は、多くのものをもたらしてくれる。人は変わる。思考は一変し、心は強くなる。アビダルのようにね。

病状については、現在のところは安定している。血液検査の結果も良好だ。月曜日に検査を受けたし、良くなっている。医師は喜んでいた。もちろん私も、それ以上にね」

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