7月30日、FIFAは29日、30日と公式サイトで現在ロシア代表監督を務めているファビオ・カペッロ氏のロングインタビューを掲載した。
現在はロシア代表監督を務めている彼は、先日行われたコンフェデレーションズカップの感想、そしてかつて率いたACミランやレアル・マドリーのこと、さらに第2部ではロシアやイングランド代表についても語っている。
FIFA
(コンフェデをどう見ましたか)
「ブラジルがいかにしてスペインを止めるのか。それは誰もが難しいものだと思っていた。ホームだからブラジルが優勝候補だと思ってはいたが、それにはスペインを破らなければいけなかった。最も興味深かったのは、ブラジル人が中盤に戻ってボールを奪って、相手のポゼッションを妨げたことだ」
(スペインはこれまで無敵のように思われていましたが)
「私が思うに、イタリアは準決勝で道を示したね。彼らは3バックを使い、中盤のスペースを潰すために尽力し、長いボールでプレーした。それがスペインを不安定にさせた。フェリポン(スコラーリ代表監督)にも良い参考になったんじゃないか」
(スペインはオーラを失っている?)
「彼らはどのレベルでも確固たるスタイルを持っている。また、彼らは休息がブラジルより少なかったし、イタリア戦で暑い中120分を戦っているということも忘れてはならない。あれだけ暑い環境では、前半、後半の半ばに数分休憩を取ることを勧めたいんだがね。それは大きな違いを生むはずだ」
(中盤のプレスを重視する戦術は、あなたがミランで使用したものだ)
「当時は革新的だった。しかし時代は変わった。もうあれは誰もがやっているものに過ぎないし、しなければ勝てない。また、4-4-2だの4-3-3だのを語ることも不合理だと思うね。
現在のサッカーは9-1だ。9人で攻め、9人で守る。攻撃している最中でもブロックを作っておかなければいけない。そして、最終ラインと前線が40~50メートルも離れていることはあり得ない。最大でも20~30メートルにし、コンパクトにしなければならない」
(あなたはレアルで監督をしていた際、『攻撃サッカーは古い』と話した?)
「そんなことは言っていない。インターネットには嘘の情報がたくさんある。レアル・マドリーではラウール、シュケル、ミヤトヴィッチを使って、右にヴィクトル、中にレドンドとセードルフ。これのどこが守備的なんだ。ストライカーを並べて多くのゴールを獲りたいと誰もが思うだろうが、それは必ずしも上手くは行かないんだ」
(有名な『銀河系システム』も機能しなかった)
「ベッカムが右で、ロナウド、ファン・ニステルローイ、ラウールもいたが、勝てなかったな(笑) 多くの才能が集まっていたが、それを同時にピッチに送り出すことは出来なかった」
(新たなイノベーションは?)
「近代サッカーでは3回だ。1970年代にはアヤックスがハイライン、オフサイドトラップを生み出した。1980年代と1990年代にACミラン、そして今はバルセロナ。彼らはボールをキープする方法、そして奪い返す方法を示してきた。人々がそれを研究し、その後新たな展開を迎えるだろう」
(将来的にサッカーはどうなるでしょうか)
「良い質問だけど答えるのは簡単じゃないね。おおよそ15年ごとに革新はやってくる。しばらく待つ必要があるだろう。バルセロナの革命はそう昔のことじゃないんだからね」