元イタリア代表MF、ファビオ・リヴェラーニ。その名を覚えているファンも多いのではないだろうか。2000年にペルージャに加入してブレイク。その後、ラツィオ、フィオレンティーナ、パレルモで活躍したレジスタである。

天才的なひらめきを持つパサーであり、縦パス、特にロングレンジでのパス精度とセンスはイタリア屈指であり、アンドレア・ピルロと同等の評価を受けていた。イタリア人の父とソマリア人の母の子として生まれ、ペルージャ時代の2001年に黒人として初のイタリア代表に選出されている。

リヴェラーニは2011年の8月にスイスのルガーノと2年契約を結ぶも1試合も出場する事なく同年11月に契約を解除して現役を引退。その直後にジェノアからユースチームのコーチとしてオファーを受けるとコーチに就任。そして今年の6月、ダヴィデ・バッラルディーニの後任としてジェノアの会長エンリコ・プレツィオージから弱冠37歳で監督任命された。

37歳という年齢でセリエAの指揮官に就任するのは異例と言って良いだろう。同じ37歳のフランチェスコ・トッティやアレッサンドロ・ネスタは未だに現役でプレーを続けているくらいであり、「2006年にワールドカップを制覇した世代」としてひとまとめに考えれば、大半の選手は既に引退しているのだ。現在セリエAの青年監督としてはフィオレンティーナのヴィンチェンツォ・モンテッラが最も名高い存在である。39歳の指揮官は昨季フィオレンティーナのチャンピオンズリーグ出場権確保にあと一歩まで迫った。モンテッラに次ぐ存在として注目を集めているのはリヴェラーニなのだ。

元イタリア代表は指揮官就任について以下のように話をしている。

「まだチームのためにプレーできるかって?ミッドフィールドは最も質と量を求められるエリアだから苦労すると思うよ」

「移籍期間での獲得にトライするのと同時に、攻撃面で我々は一番クオリティを割くだろう」

「我々は会長とスポーツディレクターと共に自分たちのアイディアを作り出すために話し合いをした。我々はジェノアを成長させたい。すべての選択肢が我々には共有された」

「会長には借りがある。彼はユースチームのコーチになる機会をくれたし、そして2年でシニアチームのベンチに昇格してくれた」

「コーチにとって、これは選手にとっても言えることだけど、パフォーマンスは年齢や経験よりも話す事が重要だと思う」

会長への恩義を感じるリヴェラーニ。現役時代は天才肌の選手として知られた彼がどんなチームを作り、どんな采配を見せるのか非常に楽しみだ。当時のプレーを知るファンであればおわかりいただけるだろう。

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