先月30日に行われたキリンチャレンジカップ2013で来日し、日本を相手に2-0の勝利を収めたブルガリア。国内リーグの選手中心で構成されながら2014年W杯の欧州予選で好調を維持しており、今回の親善試合でもその力を見せつけ、サッカーは名前でするものではないことを改めて教えてくれた好チームであった。

その国内トップリーグである、A PFGは5月26日に最終節を迎え、前年1部初昇格でリーグとカップの二冠を達成した新興のルドゴレツ・ラズグラドが逆転で連覇を達成したのだが、そこには最終節らしい悲喜こもごもがあった。

levski-vs-slavia

最終節まで勝ち点1差で首位に立っていたのは、CSKAソフィアに次ぐリーグ26回の優勝を誇るレフスキ・ソフィア。2000年代に6度リーグを制した名門は、昨年11月から首位を守ってきたルドゴレツを5月18日の直接対決で1-0と下し、残り2試合の時点で首位に立った。その試合後の様子がこちら。

花火を上げて盛大に首位奪取を祝ったレフスキ。そして迎えた最終節、元日本代表MF松井大輔を擁するスラヴィア・ソフィアとのホームでのダービーに勝利すれば、4年ぶりのリーグ王者に輝くはずだったのだが・・・。

33分にギニア・ビサウ代表FWデ・カルヴァーリョの先制弾が決まり、その後も圧倒的に攻め続けたレフスキ。しかし74分、松井のフリーキックからヴェザロフがまさかのオウンゴール。結局これが痛恨の失点となり、1-1の引き分けに終わったレフスキがルドゴレツに再び交わされ、最終戦で優勝を逃すこととなった。

さらに、話は続く。レフスキと同じブルガリアの首都ソフィアをホームとするスラヴィアにとって、ライバルの優勝を直接阻んだことは8位に終わったシーズンで最も大きな喜びの一つ。当然、選手やスタッフ、フロントはこの結果を喜んでいたのだが、ただ一人、そうではない者がいた。今年1月にチームへ加入し、この試合でもベンチに入っていた元U-21代表MFディモ・アタナソフ。試合後、ドレッシングルームへ戻った彼はこの“残酷な”結末を前に、涙を堪えきれなかったようだ。そう、彼はなんとレフスキの隠れファンだったのである。

これを知ったスラヴィアのステファノフ会長は激怒し、報道陣に「彼はもうスラヴィアの選手ではない!」とコメント。アタナソフにとってはまさに“泣きっ面に蜂”の結果となってしまった・・・。

【厳選Qoly】東南アジア最強を決める三菱電機カップで日本出身選手が躍動!活躍する日本出身の5選手を紹介