ミッドウィークのきつい時間帯にキックオフとなったウェストハム対マンチェスター・ユナイテッド戦。分かっていてもこの時間は老体に響きます。 レーシックとかどうとか本田圭佑のコンディションがどうの言われる中で、先日の代表戦では、ゴールこそ記録したものの全体としては低調な出来であった香川。ユナイテッドでも出たり出なかったりでその辺のコンディションやプレーっぷりは良いとは言い切れません。

夜が明ける前からテレビ越しに見ていた試合ですが、ビッグサム+キャロルという、1+1=2並みにわかりやすい組み合わせのハマーズ相手に、ボールは持つけどふわふわしたユナイテッドという構図で試合は進んで行きました。ユナイテッド側の人からすれば、人生で最もキャロルに激おこぷんぷん丸な日だったと思われますが、ヤースケライネンのビッグセーブ連発でハマーズはノッておりました。そういえばビッグサムってまだ60手前なんですね。長いことプレミア見てますと、サー・アレックスと並んで老人ツートップだと思っていましたが、一回りも違うんですねえ。見た目からの思い込みは怖いものです。

さて、得点のシーンだけ考えれば香川は2得点に絡み、多数メディアから絶賛されるという報道でなんだかYahooのトップにも載っかっちゃうわニュースで取り上げられるわで、良かったじゃん、と思われるかもしれませんが、90分観ていればどうもその評価だけでは不十分なように思えました。

結果ドローだったわけですが、まず最初の失点のきっかけ香川ですからね。全ての責任が彼に無いでしょうが、カウンターのきっかけとなるリターンパスのミスを引き起こしているのは背番号26。良かった方にも目を向けますが、向ければ向けるほどに今の香川の課題がそのまま投影される形でした。1アシスト目は見事なステップでアシスト、ファン・ペルシーがサイドに流れて中の空いたスペースに走りこんで、という動き出しから始まった。もっとやれ、な感じでしたが、このようなプレーはなかなか増えません。やる気が湧いてこないのか毛が伸びないのか不調なのか、いまいちよくわからないルーニーがやっとピッチに退いてからは、“本来の”位置に収まった香川はここでらしさを発揮し、2点目を誘発しました。厳しい言い方をすると、結局中央のBOX付近で仕事出来ないと、まったく怖くないことを露呈しちゃいましたし、全体を通して怖さを感じさせる動きはまだまだです。それが不調のルーニーのせいなのか、ファン・ペルシーのせいなのか、後ろのパサーのせいなのか、連携を深めるだけの時間がまだ足りていないせいなのか、サー・ヘアドライヤーのせいなのかはわかりません。もちろんクリスティアーノ並みにエゴ丸出し(あれはあれで機能していたからいいんでしょうが)なことを香川に求められているとは思えませんし、賢い選手なので、時間が解決してくれるだろうと思うんですが、定位置サイドライン沿いではいかんせん“怖さ”に欠ける上に、安全第一のポゼッション要因では、面白くもない。そろそろバックパサーというアカウントは取っ払って、素早いターンで前向く機会を増やしてほしいものです。

それくらいしないといつまでも“本田>香川”の構図は変わるとは思えないので、優等生を演じつつ各種スポンサーのご機嫌を伺いながらは難しいでしょうが、チャレンジしていっそベンチか、ルーニーも本田も食っちまうか、それくらいのガチンコのトップ下争いを見たいものであります。そりゃ今期タイトルがマストのユナイテッドでは物言う新入社員は使われない可能性があるので、野心は持ちつつ虎視眈々と社畜ポジションから牙を研いで機会を伺っているかもしれません。どのみちもう少し時間がかかるということでしょうか。

どこかのスポンサーさんが、長澤まさみちゃんと香川の共演をCMで作って頂ければ調子は右肩上がりになるかもしれませんので、そのあたりソフトバンクさんあたりでどうにかなりませんかね。最近のカルピスのCM、鈴木ちなみと長澤まさみちゃんの区別が付きません。ゴールデンボンバーとの絡みは少し見たい気もしますが、前田のあっちゃんとは無しの方向でお願いします。


筆者名:Nemi
プロフィール:様々な媒体との交流があり、その手の世界では名の知れたライター。「文章一本で勝負したい」と完全に素性を消してQolyに登場。

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