ロイター通信は、「リーズ大学の研究チームは、若い選手の4分の1に燃え尽き症候群の兆候があるという研究結果が出たことを報告した」と報じた。
この研究は、8つのクラブのアカデミーに所属する167名の選手を調査対象としたという。そのうち3つが1部、4つが2部、そして残り1つはそれ以外のクラブである。その結果、4人に1人に燃え尽き症候群の兆候が見られたとのことだ。
大学でトレーニング科学の講師を務めているアンドリュー・ヒル氏はこのように語った。
「例えばあなたが見事なプレーをしたとしても、親やコーチ、仲間の要求はますます激しくなる。それは困難な目標に向かうことを強要する、無慈悲な種類のプレッシャーである。
直前の試合で良いプレーをしたとしたら、それ以上のものが常に求められるようになる。つまり十分になることは永遠にない。2度得点すれば、3度得点できた、と。必然的に、失敗を経験し、無力感や絶望を抱くまで、求められるものは肥大していくのだ。
(大きな才能を持つ子を失っている?) その指摘に疑問はない。燃え尽き症候群の蔓延は多くのコストを支払っている。周囲が患者を助けなければならないコストに加え、才能の損失というコストもね。
特に特別な才能がある選手はそれらのクラブに発見されやすく、システムに組み込まれている可能性が高い。しばしば最大の努力と燃え尽きがリンクする。推測ではあるが、より高いレベルの段階で学ぶべき技術的、戦術的なスキルを詰め込まれているのではないか。
燃え尽き症候群は、脱落者の必要条件なのだ」
ボルトン・ワンダラーズのアカデミーコーチを務めていたキース・ブラナガン氏は、それはスポーツ選手の選別の過程であると認めながらも、ユースレベルにおける対策も進んでいると話した。
「確かに、精神的に、肉体的に憔悴したように見える少年に会ったことがある。サッカー選手には心の頑丈さが必要であり、その少年たちが才能を開花させることは難しかっただろう。
逆に言えば、プレッシャーに適応できない少年が、この悪いフットボールの世界の中へ飛び込まずに済んだとも言える。
我々は皆レーシングドライバーになりたいと思っているが、しかし実現はしない。上手くやることが出来ないからだ。それはビジネスの性質であり、試合の性質なんだ。一流の選手は皆並外れた人間であり、並外れたアスリートなんだよ。
アカデミーで働いてきた20年で、何人かのコーチがあたかもプロのクラブのマネージャーであるかのようにチームを運営し、少年に圧力をかけているのを見てきた。
しかし、燃え尽き症候群に関する意識は徐々に上がっていると感じている。少年は自分で自分に圧力をかけてしまうので、アカデミーはむしろそれを取り払って安心させようという活動を熱心に行っているんだ」