AP通信は「FIFAのメディカルチーフを務めているミシェル・ドーヘ氏が、サッカー選手の抗炎症薬乱用に警告を発した」と報じた。

ミシェル・ドーヘ氏はAP通信のインタビューでこう答えたという。

「最も憂慮すべきなのは、これまで以上にユース年代での問題が発生していることだ。ドーピングよりも、抗炎症薬こそが我々にとっての最大の懸案事項なのだ。

2010年ワールドカップでは、23人中21人が非ステロイド性抗炎症薬を使用していたチームもあった。全体的には34.6%の選手が使用しており、2006年大会の29%から大幅に増加している。

それはユース年代においても使用されているが、今それが深刻な問題であることが浮き彫りになってきている。クラブで、そして代表チームでと、あまりにも多くのゲームを戦っている。

薬を飲めば痛みは少なくなるが、痛みというのは『警告』なのだから、状況は悪化していく。警笛を無視するようなものだ。1部の選手は、ある時点で薬を服用することなくプレーする事が出来なくなる」

また、この件に関してオーストラリアン紙はU-17代表監督兼パース・グローリー暫定監督のアリステア・エドワーズのコメントを掲載している。

「ユースのレベルでも勝利が常に求められる。それが深刻な影響を与えている。それはあれだ、年齢詐称の問題も同じだ。いくつかの国はいつもそれをやっている。

だから、抗炎症薬の使用に関することを聞いても、全く驚きはしなかったよ。本当に悲しいことだが、子供たちは将来の夢を叶えるためには何でもする。怪我をしたくないし、大きな契約や大金を欲している。

エージェントや両親は、短期的な利益を得るために、しばしば自分の子供たちに一線を越えさせてしまうんだ」

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