数々の歴史を作ったマンチェスター・ユナイテッドの11番

昨夜のQPR戦でプロサッカー選手として999試合目の出場を果たし、その試合で見事ゴールを決めたマンチェスター・ユナイテッドの大ベテラン、ライアン・ギグス。この記録はプレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、FAカップ、リーグ・カップ、欧州カップ戦、FAコミュニティー・シールド、UEFAスーパー・カップ、インターコンチネンタル・カップ、FIFAクラブワールドカップ、ウェールズ代表、そしてロンドン五輪のチームGBを通算した記録であり、23シーズンかけて作り上げた偉大な記録である。1000試合目の出場はホームでのノリッジ戦が濃厚で来週の土曜日に開催される予定だ。

偉大な記録を打ち立てたギグスの歴史を少し紐解いてみよう。ギグスが初めての出場を果たしたのは1991年の3月2日に行われたエヴァートン戦だ。17歳でデビューした当時、現在のチームメイトであり同じく大ベテランのポール・スコールズは16歳と4ヶ月でアカデミーに在籍中であり、リオ・ファーディナンドは12歳と4ヶ月とまだ学校に通っていた。ダビド・デ・ヘアとダニー・ウェルベックに至っては生後3ヶ月である。フィル・ジョーンズとニック・パウエルは生まれてすらいない。現在71歳のサー・アレックス・ファーガソン監督は49歳と脂の乗り始める頃であった。

レギュラーとしてプレーし始めたのは1991-92シーズンから。18歳の若さで32試合に出場し4ゴールを奪っている。当時のマンチェスター・ユナイテッドは当時のユナイテッドの中盤は左にギグス、右が元ロシア代表のアンドレイ・カンチェルスキスがレギュラーを務め、栄光の背番号7を背負うブライアン・ロブソンはギグスの台頭によりキャリアの下り坂に突入することになる。

以降、ギグスはデビューした1990-91シーズンから今季に至るまで毎シーズン得点を奪っており、当然ながらプレミアリーグが発足した1992-93シーズンから全てのシーズンでゴールを記録している唯一の選手だ。12回のプレミアリーグ制覇はもちろん最多であり、プレミアリーグ史上最高の選手である事は疑いようが無いだろう。ありとあらゆる賞を総なめにしてきたギグスだが、ウェールズ代表では同胞に恵まれず大舞台には縁遠かった。キャリアの終盤で迎えたロンドン五輪ではチームGB(グレートブリテン代表)にキャプテンとして選ばれ、チームを統率したのが最初で最後の大舞台である。

ギグスの様に長年プレーした選手について「キャリアで最も輝いていた頃」を挙げるのは非常に難しい。エリック・カントナの加入によってパワーアップした時代なのか、デイヴィッド・ベッカムやギャリー・ネヴィル、ポール・スコールズら「ファーギーの雛鳥」として輝いていた頃なのか、3冠を達成した時なのか。世界最高の左ウィングの栄誉を欲しいままにしてきたギグスだが、近年のように中盤のマルチロールでプレーする姿も印象深い。まだ現役の選手に対して回顧的になるのは少々失礼だと思うが、個人的にはプレミアリーグ初期の活躍が忘れられない。

来季も現役を続行するのかは未だに不透明だが、出来る限り現役を続けて欲しい選手だ。

(筆:Qoly編集部 N)

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